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2018 年度 実施状況報告書

米国での認知症高齢者を師とする人生語り・記録の多世代協働とコミュニティ教育の展開

研究課題

研究課題/領域番号 18K01180
研究機関国立民族学博物館

研究代表者

鈴木 七美  国立民族学博物館, グローバル現象研究部, 教授 (80298744)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード超高齢社会 / 認知症高齢者 / ライフロングラーニング / エイジングフレンドリー・コミュニティ(AFC) / コミュニティ教育 / 多世代協働
研究実績の概要

本研究は、超高齢社会において、認知症高齢者やその家族の生活の質の低下をどう解決するかという実践的課題を出発点として、多文化・多世代が、認知症高齢者を含む高齢者との交流に、どのような経験を紡ぎ意義を見いだしているのか、またそうした場はいかにして実現できるのかに関する情報を、現地調査にもとづき提示することを目的としている。
本年度は、海外共同研究者や研究協力者と情報交換を行いつつ、認知症高齢者が参加する多世代協働の実践、およびその継続的運営を可能とする環境について、現地調査研究を実施した。とくに米国において進められている博物館や学校等を活用する活動において、実践者の資格や仕事のありかたについて重要な情報を収集することができた。また、日本における当該実践の応用可能性にかかわり、日本の高齢者関連施設における若い世代のボランティアおよび就業に関する情報収集を進めた。
成果公開としては、本研究に深くかかわる、高齢者のニーズを契機として全ての世代の生活環境を再考・開発するエイジングフレンドリー・コミュニティ(AFC)の研究に関し、海外共同研究者との協働的研究の蓄積を生かし、日本の過疎地域における産業振興と多世代協働に関しまとめた研究成果を公開した。この論考は、欧米都市を中心とするAFCの現状に不可欠の視座を提供するものであり、包括的環境の基盤となる仕事やライフロングラーニングを含む余暇の時間のありかたを検討するための観点を明示している。さらに、すべての世代が参加する余暇活動を支える米国のコミュニティの基盤となる考え方に関し発表し、議論にもとづき考察を深めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

平成30年度に関し計画していた現地調査を、国内外の博物館・美術館を含むコミュニティ教育の現場や複合型高齢者対象施設において遂行し、研究視座を明確化させ、平成31年度以降に生かす情報を蓄積した。
また、成果公開の一環として、研究課題のうち、とくに①多世代協働の実践(活動環境と持続性獲得)、②背景となる仕事やボランティア活動、コミュニティ教育の考え方と実践の系譜にかかわる基礎的内容を論考および発表によって実施した。

今後の研究の推進方策

平成30年度に現地調査を開始したコミュニティ教育の現場における調査内容を整理し検討を加えたうえで、必要とされる現地調査研究や参与観察を続行し、日本における認知症高齢者を含む多世代のコミュニティ教育に資する情報として提示できるよう成果公開の準備に着手する。
具体的には、今年度は、米国のコミュニティ教育やライフロングラーニングに関し情報収集を進めつつ、平成30年度に研究発表した内容について論考としてまとめる作業に着手する。また、国内外に関し高齢者を含む多世代協働の実践の現地調査にもとづき、それらを支える考え方や社会のしくみに関し情報と考察を加えた論考提示に向けて、情報や資料を整理する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] アーミッシュにおける豊かな社会――インテンショナル・コミュニティの交流史から2018

    • 著者名/発表者名
      鈴木七美
    • 学会等名
      比較文明学会関西支部第40回例会
    • 招待講演
  • [図書] The Global Age-Friendly Community Movement: A Critical Appraisal2019

    • 著者名/発表者名
      Stafford, Philip B. ed. (Suzuki, Nanami ほか16名)
    • 総ページ数
      272
    • 出版者
      Berghahn
    • ISBN
      978-1-78533-667-6

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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