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2020 年度 実施状況報告書

米国での認知症高齢者を師とする人生語り・記録の多世代協働とコミュニティ教育の展開

研究課題

研究課題/領域番号 18K01180
研究機関国立民族学博物館

研究代表者

鈴木 七美  国立民族学博物館, グローバル現象研究部, 教授 (80298744)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードエイジング(エイジ)フレンドリー・コミュニティ / 超高齢社会 / ライフロングラーニング / コミュニティ教育 / 交流 / アクセシビリティ / 多世代協働
研究実績の概要

本研究は、超高齢社会において、多文化・多世代の交流に開かれた場で、人びとがどのような経験を紡ぎ意義を見いだしているのか、またそうした場はいかにして実現できるのかに関する情報を、現地調査にもとづき提示することを目的としている。
今年度は、これまで行ってきた現地調査の内容を整理し詳細に分析したうえ、成果として、英文雑誌Anthropology and Agingに論文を執筆し、第38回比較文明学会で発表(招待)を行った。これらには、コロナ感染拡大という状況下で得た新たな知見を含めている。すなわち、認知症高齢者を含む高齢者に限らず、すべての世代にわたって活動におけるアクセシビリティが制限され、これまで対面交流による推進が念頭におかれ成果を上げてきた活動の企画や運営が困難となっている状況を明確化し、そのなかで、いかなる代替的活動や、さらには発展的活動が考えられるのかについて、考察を加えた。
これらの成果の発表や議論を通じて、アクセシビリティの制限を受ける可能性のある全世代において、発信や交流に資する考え方や価値観について考察を深め、実践につなげるために、国際発信に向けた資料作成や第一次資料の収集の充実を図った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

認知症高齢者を含め高齢者を包摂しその活躍が可能となる場とアクセシビリティの確保にとどまらず、すべての世代の交流協働におけるアクセシビリティに関し、情報を収集し知見を深めた。コロナ感染拡大という状況下ではあったが、ウェブ会議の国際集会に参加するとともに、来年度以降に分析すべき第一次資料および情報を収集した。とくに米国におけるコミュニティ教育に関して、参加型の実践的研究を行った。

今後の研究の推進方策

米国のコミュニティ教育に関して、参加型の実践的研究によって収集した資料に関し、整理し分析を進める。
すべての世代の人びとが対面交流についてアクセシビリティに課題を抱えるような状況においても、交流やウェルビーイング向上に資する活動について情報収集を進め、また、考え方や実践の基底をなす価値観の解明にかかわる資料収集を行う。

次年度使用額が生じた理由

コロナ感染拡大状況下ではあったが、リモートによる国際会議・各種研究集会への参加や電子ジャーナルを含む文献等からの情報収集を充実させた。2021年度においても同様の英語による情報収集と発信を続けるために、必要な原稿の英文校閲を進めた。一方、新たに知見が得られた領域に関しては、さらに研究を深化させるために、人びとの価値観にかかわる一次資料の収集を精力的に行った。このように蓄積した資料にもとづき、分析を深め情報発信を進める。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Weaving Flexible Aging-friendly Communities Across Generations While Living with COVID-192020

    • 著者名/発表者名
      Suzuki Nanami
    • 雑誌名

      Anthropology & Aging

      巻: 41 ページ: 155~166

    • DOI

      10.5195/aa.2020.311

  • [学会発表] エイジングフレンドリー・コミュニティにおける『いのち』2020

    • 著者名/発表者名
      鈴木七美
    • 学会等名
      第38回比較文明学会大会 シンポジウムIII「社会・文明・思想から『いのち』を考える」
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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