本調査を通して、高齢となった結婚移住女性たちの生活困窮と就労資源の乏しさが原因でモビリティが高まるケースや、身体的疾病治療のためにモビリティが高まるケースが多いことが明らかになった。特に中国や韓国出身者は、漢方や民間療法の信頼度が高く、日本の医療での薬の服用や治療に関しては信頼度が低い。そのため、適切な治療を受けないケースもあった。精神疾患を患っている場合は、日本人家族からのケアを受けられないことから、ケアする人の不在問題が大きい。本人が意思決定ができない状況の中、周りのサポートも行き止まった状態になる。異なる文化背景を持つ人のため、多文化ケアシステム構築が必要とされる。
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