研究課題/領域番号 |
18K01192
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
吉岡 政徳 神戸大学, 国際文化学研究科, 名誉教授 (40128583)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ヴァヌアツ / トゥラガ・ネイション / インディジナス / 伝統復興運動 / 伝統と近代 |
研究実績の概要 |
本年度は、新型コロナ・ウィルスの世界的流行のため、海外でのフィールドワークを実施することができなかった。本来ならば、前年度と同じく、ヴァヌアツ共和国でトゥラガ・ネイション運動に関するフィールドワークを実施し、特に、伝統的財に関する「銀行」を調査し、市場経済と伝統経済の関連を解明するはずであった。しかしヴァヌアツはこの1年間海外からの渡航者を完全にシャットアウトしたため、ヴァヌアツでのフィールドワークを断念せざるを得なかった。 従って今年度は、文献研究を重視し、ヴァヌアツ・デイリーポストやヴィラ・タイムズなどヴァヌアツ国内の新聞記事で取り上げられたトゥラガ・ネイション運動の情報を収集するとともに、HuffmanのTraditional Money Banks in Vanuatu(2005)、Hvidingの Pacific Alternatives: Cultural Heritage and Political Innovation in Oceania(2007)、Abong & Kabaniの Kago, Kastom and Kaljaなどの著書を手に入れ、トゥラガ・ネイション運動を総合的に論じることにした。その結果、昨年度のフィールドワークのデータと合わせて、「トゥラガ・ネイション(その1):ヴァヌアツにおける新しい伝統復興運動」、「トゥラガ・ネイション(その2):伝統と近代の相克」という二つの論考を公刊することとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は、新型コロナ・ウィルスの世界的大流行により海外でのフィールドワークをすることができなかったため、今年度の研究計画をほとんど遂行することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は次年度が最終年度であり、もし次年度の後半にでも新型コロナ・ウィルスの流行が一段落し、ヴァヌアツ政府が海外からの渡航者を受け入れることになれば、すぐにフィールドワークが可能となるような手続きを行い、次年度中にヴァヌアツでの調査を実施したい。そして、次年度中にフィールドワークが可能となったとしても、あるいはもし仮に、依然として不可能である場合でも、どちらのケースでも、本研究を1年延長する願いを提出し、おそらく新型コロナ・ウィルスの流行が完全に終焉しているであろう2022年度に、ヴァヌアツでのフィールドワークを実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ・ウィルスの世界的流行のため、海外への渡航が制限され、予定していたヴァヌアツ共和国に渡航することが禁止されていたため、フィールドワークを実施することができなかったことが最大の理由である。新型コロナ・ウィルスの流行が落ち着いて、ヴァヌアツ政府が海外からの渡航者を受け入れるようになれば、今年度中にフィールドワークを実施する。もし新型コロナの流行がおさまりを見せない場合は、本研究を1年間延長して、おそらく海外渡航も可能になるであろう2022年度に、ヴァヌアツでのフィールドワークを実施する予定である。
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