研究課題/領域番号 |
18K01206
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研究機関 | 新潟県立歴史博物館 |
研究代表者 |
大楽 和正 新潟県立歴史博物館, その他部局等, 研究員 (20526959)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ローカル商品 / 伝統食 / アクション・リサーチ / 博物館学芸員 / 応用研究 / 海藻 / えご / 納豆 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、ローカル商品や伝統食をめぐる動きに博物館学芸員が積極的に介入し、それにかかわる多様な人びととの協働を通して、地域文化の持続や活性化を図り、地域社会に変革をもたらすことにある。 2020年5月に開催予定の4年に1度のえごの祭典「えごリンピック2020」に向けて、越後えご保存会内にプロジェクトメンバーを組織した。2019年は計8回の打合せを行い、開催プログラムをえご作り体験、試食・物販、講演・シンポジウム、パネル展示で構成し、担当部門を決めて実施内容を吟味した。5月15日のえごの日には、そのプレイベントとして「明らかになったエゴノリの健康効果」講演会・試食会を県立歴史博物館で開催した。福井県立大学生物資源学部の村上茂教授が講師を務め、昨年3月に報道発表したエゴノリに血糖上昇抑制作用と脂肪肝抑制作用がある実験結果について講演した。平日の開催であったが想定を上回る148名の入場者があった。 調査活動については、地域情報誌等を通じて、お盆に供える鏡えごの風習について市民に情報提供を呼びかけた。最終的に集まった調査カードは50件弱で、現在その集計と分析を進めている。このほか、2019年夏に出雲崎の漁師の協力を得て、海上や水中での動きを観察する機会を得た。漁師が潜水する基本動作を確認し、写真や動画に記録した。県外調査は「いぎす」「じょう」と称してエゴノリを食す鳥取県まで調査域を広げ、鳥取の漁の様子や救荒食をめぐる伝承の実態について調査を進めた。これらの研究成果の一部については、県内の学会で発表したほか、研究紀要等に掲載した。 納豆については、その食文化の歴史や特色を検討し、書籍に成果を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
プレイベントの広報活動の効果もあり、ラジオや新聞、テレビなど、多くの取材報道があった。研究期間の二年目であるが、えご食文化の普及や振興に向けて少しずつ機運が高まっている。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス禍の影響により、2020年5月に開催予定の「えごリンピック2020」が2021年に延期となった。引き続き保存会と連携を図りながら、開催に向けて準備を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度で調査旅費として使用する計画である。
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