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2022 年度 実施状況報告書

博物館から考える民俗学の実践的応用

研究課題

研究課題/領域番号 18K01206
研究機関新潟県立歴史博物館

研究代表者

大楽 和正  新潟県立歴史博物館, その他部局等, 研究員 (20526959)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワードローカル商品 / 伝統食 / アクション・リサーチ / 博物館学芸員 / 応用研究 / 海藻 / えご / 納豆
研究実績の概要

本研究の目的は、ローカル商品や伝統食をめぐる動きに博物館学芸員が積極的に介入し、それにかかわる多様な人びととの協働を通して、地域文化の持続や活性化を図ることにある。本年度は越後えご保存会や福井県立大学、新潟県水産海洋研究所、新潟県農業総合研究所食品研究センターなどと進めているエゴノリの官能評価と物性評価等についての研究成果を『新潟県立歴史博物館研究紀要』第25号にまとめた。
平成30年から令和2年の3か年に漁獲されたエゴノリの粘度値をみると、年が経るにつれて粘度が低くなる傾向にある。えご製造関係者によると、経年劣化したえご草は「力が弱くなる」といわれ、凝固性に大きく影響し、品質が著しく低下するという。それを裏付けるような結果が得られた。えごは一般に7月後半から8月のお盆前が漁期とされるが、お盆前とお盆を過ぎた時期に採取した2種類についても、官能評価と物性評価、粘度及び多糖含量等の分析を行った。その結果、両者間の粘度をはじめとする各種値に大きな差が認められた。実が入ったえごと人びとに認識される採取適期は、各種数値データからみても理に適っていることが明らかになった。
令和4年3月、文化庁による地域の食文化を認定制度「100年フード」に「えご」が認定された。同年5月には新潟県立歴史博物館を会場として、新潟県内で100年フードの認定を受けた団体関係者による情報交換会を講座形式を開催した。食に関するパンフレットや食べ歩きマップを作成する団体もみられ、認定制度を活かした食の活性化の気運が高まっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

越後えご保存会による催しが一年延期になった影響もあり、やや遅れている。

今後の研究の推進方策

パンフレットの刊行等を進め、食文化の活性化につながるような支援を進める計画である。

次年度使用額が生じた理由

予定されていた事業が延期になったため、次年度に研究成果を発信するためのパンフレット等の印刷費を使用するほか、関連する調査研究活動の旅費等で使用する計画である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 「えご」の食味はどのように表現できるか?-官能評価と物性評価の記録-2023

    • 著者名/発表者名
      楽和正,阿部元春,大菅元晴,鷲山厚,村上茂,松崎千秋,海老名秀,諸橋敬子,松原祐樹
    • 雑誌名

      『新潟県立歴史博物館研究紀要

      巻: 24 ページ: 85-107

  • [雑誌論文] 海藻食「えご」食文化を守る・つなぐ・広める―博物館学芸員と越後えご保存会の取り組み―2022

    • 著者名/発表者名
      大楽和正
    • 雑誌名

      日本民俗学

      巻: 312 ページ: 290-294

  • [学会発表] 海藻と食文化―えごは食文化といえるか2023

    • 著者名/発表者名
      大楽和正
    • 学会等名
      國學院大學伝承文化学会令和4年度第3回フォーラム

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公開日: 2023-12-25  

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