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2022 年度 実施状況報告書

面会交流紛争解決システムの比較法社会学研究:離婚後家族関係の支援という視点から

研究課題

研究課題/領域番号 18K01211
研究機関名古屋大学

研究代表者

原田 綾子  名古屋大学, 法学研究科, 教授 (00547630)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワード面会交流 / 子ども / 意見表明権 / アメリカ / オーストラリア
研究実績の概要

2022年度は、第一に、子どもの監護面会交流紛争・子どもをめぐる家族問題に関するアメリカ(特にカリフォルニア州)における取組みについて研究を行った。研究成果は、所属する研究会(家族と法研究会)における研究報告、また、招へいされたシンポジウムにおいて報告した。この研究に関連して、本年度中に学術雑誌に2本の論文が公表された(うち1本は査読付き、1本は依頼による執筆)。また、このテーマに関連して、2022年6月に法務省の依頼を受けてアメリカの裁判所において行われる親教育制度状況についての調査を行って報告し、現在法制審議会で検討されている離婚法制の見直し作業に寄与した。2022年9月にはカリフォルニア州に短期で渡航し(調査期間4日)、10名を超える家族法実務家にインタビューを行うなどフィールドワークを実施し、その成果を上記の論文や研究発表に活用した。
第二に、子の監護問題における子どもの意見表明権の保障という視点からの研究を行った。子どもの意見表明権の保障についてはオーストラリアの法制の展開が特に参考になるところが多いため、オーストラリアにおける法制やその実務を検討し、それと対比しつつ、日本の家事事件手続における子どもの意見表明権の保障の制度的特徴やその課題について検討を行った。この第二のテーマについての研究成果として、2022年5月に日本法社会学会学術大会のミニシンポジウムにおける研究報告を行い、研究報告に基づいた論文が2023年3月に公表された。2022年8月には、家族法システムにおける子どもの意見表明権の保障の国際的な取り組みを紹介した洋書の書評を執筆し、公表した。このテーマに関する成果は、新年度(2023年度)中に、さらにまとめて公表する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新型コロナウィルスの影響で、海外での調査研究が困難な状況が続いていたが、2022年9月には短期間ながらカリフォルニア州への渡航が実現し、現地でのフィールドワークを実施することができた。並行して、文献による調査も進んでおり、論文の執筆や学会・研究会報告も順調に実施している。研究の成果の公表という観点から見ても、当初予定していたような成果を残すことができたと考えている。

今後の研究の推進方策

次年度は最終年度であり、研究の成果を単著などまとまった形で発表することを計画している。資料や情報については、かなりの程度まで収集できているが、必要に応じて追加の調査をしながら、研究をまとめていきたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

2022年度は、カリフォルニア州への渡航が実現したが、その他の海外渡航はかなわず、そのための海外渡航費分が余剰となった。次年度はこの余剰分を用いて、国際学会発表又はオーストラリア(あるいはアメリカ)での追加調査を実施する予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] アメリカの裁判所における離婚・離別する父母のための親教育プログラム2023

    • 著者名/発表者名
      原田綾子
    • 雑誌名

      民商法雑誌

      巻: 158(6) ページ: 54-103

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 家事司法システムにおける子どもの意見表明権の保障――子どもの最善の利益のための子ども包摂的プラクティスの発展に向けて2023

    • 著者名/発表者名
      原田綾子
    • 雑誌名

      法社会学

      巻: 89 ページ: 84-97

  • [雑誌論文] アメリカにおける児童虐待への対応――家族への介入と支援の視点から――[特集] 児童虐待の総合的検討2022

    • 著者名/発表者名
      原田綾子
    • 雑誌名

      法律時報

      巻: 94(11) ページ: 43-48

  • [雑誌論文] 書評 Wendy Schrama, Marilyn Freeman, Nicola Taylor and Marielle Bruning(eds.) International Handbook on Child Participation in Family Law2022

    • 著者名/発表者名
      原田綾子
    • 雑誌名

      離婚・再婚家族と子ども研究

      巻: 4 ページ: 143-145

  • [学会発表] カリフォルニア州の子の監護法制と 家庭裁判所における紛争解決の実務2023

    • 著者名/発表者名
      原田綾子
    • 学会等名
      養育支援制度研究会・家族と法研究会合同シンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] 家事司法システムにおける子どもの意見表明権の保障―子どもと共に創るベスト・インタレストに向けて2022

    • 著者名/発表者名
      原田綾子
    • 学会等名
      日本法社会学会2022年度学術大会
  • [学会発表] DVと子の監護――カリフォルニア州法と家庭裁判所の実務2022

    • 著者名/発表者名
      原田綾子
    • 学会等名
      第352回 家族と法研究会

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公開日: 2023-12-25  

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