令和6年の改正により、離婚後共同親権の導入など、親権、監護権、面会交流に関する新たな規律が民法に設けられた。改正法の下で面会交流を実効化していくためには、本研究が明らかにしたように、裁判外での協議を支援するメカニズムの構築や、DVや虐待への対応と司法との有機的連携などが重要な課題となる。改正法では、子どもの人格の尊重のために、子どもの意見表明権の保障が重要な課題とされるようにもなった。アメリカやオーストラリアでの取り組みや子どもの意見表明権の保障に関する本研究の成果は、それ自体の学術的意義に加えて、日本における今後の制度設計や改善のために参照されるべき、社会的意義のあるものであると考えられる。
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