認定司法書士による簡裁法廷代理につき検討した。全国的傾向として,過払金に基づく不当利得返還請求訴訟の隆盛とともにそれは一時的に大きな伸びを見せた。また弁護士の簡裁事件の扱いの増加と相乗的に働き本人訴訟の比率を減らすことに寄与している。また過払い事件の司法書士代理は,多重債務問題が深刻だった地域で活発であり,他方弁護士が少額事件に熱心に取り組まない地域において,それを補うかたちで取り組んでいることが統計的にも現地調査からも確認された。司法書士の従来業務である登記業務が比較的多く,司法書士の業務環境が相対的にそれほど競争的になっていないような地域においては,簡裁代理には熱心でないことも見出された。
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