「グローバル行政法」は、国家以外の様々の形態の組織(国際組織、半官半民組織、純粋の民間主体など)が現代のグローバル経済市場に対する規制活動をしていることに着目し、公的目的の規制活動に従事する機能の点で共通と捉え、そうした非国家組織は透明性・参加・理由付き決定・審査といった公法的基準を満たすのが標準形と議論する。しかし本研究では、この議論は純粋の民間主体には不適当であることを温暖化防止目的の越境的私的主体の自主規制制度の事例研究を通して示し、むしろ私的主体は、公共的目的を柔軟かつ創意工夫をもって自発的に実施する国際公共事務の「事務管理」者(民法697条)と見るほうが妥当との結論を得た。
|