研究課題/領域番号 |
18K01235
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
江原 勝行 早稲田大学, 法学学術院, 准教授 (60318714)
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研究分担者 |
高橋 利安 広島修道大学, 法学部, 教授 (50226859)
田近 肇 近畿大学, 法務研究科, 教授 (20362949)
波多江 悟史 早稲田大学, 法学学術院, 講師(任期付) (10792947)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | イタリア憲法裁判所 / イタリアの違憲審査制 |
研究実績の概要 |
2019年度においては、特に、本研究の対象国であるイタリアを訪問し、関係する大学(フィレンツェ大学及びサンタンナ大学院大学)や憲法裁判所において現地調査を行った。 憲法裁判所では、現職の憲法裁判所判事で、長らくローマ大学において比較憲法講座の教授を務めていたジュリアーノ・アマート氏と面談し、外国法がイタリアの憲法裁判に与えた影響、憲法裁判と政治との関係等について見解を伺った。フィレンツェ大学では、アンドレア・シモンチーニ同大学教授と面談し、イタリアにおける違憲審査の方法等について質疑応答を行った。サンタンナ大学院大学では、「イタリアと日本における憲法裁判:その比較」と題する研究セミナーを実施し、ピサ大学教授と本研究研究代表者2名によるそれぞれの国の憲法裁判の特質に関する報告に基づき、本研究研究分担者、サンタンナ大学院大学教授、同大学大学院生を交えて議論を行った。 この現地調査の結果、イタリアの憲法裁判においては、アメリカやドイツにおける憲法裁判とは異なり、明確な判断枠組みが存在せず、個別の事案ごとの比較衡量が行われることが多く、その一方で、立法内容を書き換える判決手法が可能になっていることの背景や理由について認識を共有するなど、イタリアの憲法裁判制度に関して有益な知見の提供を受けることができた。 上記現地調査の他、研究代表者及び研究分担者により、イタリアの地方自治制度改革と憲法裁判、及びイタリアにおける放送の自由と憲法裁判に関して、個別に研究が行われた。その結果、前者につき、イタリアの各地方公共団体に付与されるべき自治権の性質を憲法裁判所がどのように考えてきたのか、また後者につき、放送の自由をめぐる事業者、国家、市場の三者関係を憲法裁判所がどのように調整してきたのか、といった点が明らかにされた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者及び研究分担者各自による個別的研究に一定程度進展が見られたほか、上記「研究実績の概要」に示した現地調査を行い、現地の憲法学者ないし憲法裁判の実務家がイタリアの憲法裁判についてどのように認識・評価しているのか、それに直接触れることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度までに引き続き,研究代表者及び研究分担者の役割分担に基づく研究を各自で遂行することに加えて,研究代表者と研究分担者による研究会ないし打合せ会において,各自の研究の進捗状況について成果と課題をよりいっそう共有することに努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由としては,主に2つ挙げることができる。第一に,研究代表者及び研究分担者による研究会に,専門的知見の提供を受けることを予定していた国内の研究協力者を招聘することができなかったために,研究協力者に支払うことを想定していた旅費に剰余金が発生したことである。第二に,研究課題に関係するイタリア語資料を十分に収集することができなかったことである。 したがって,2020年度においては,研究代表者及び研究分担者による研究会を充実化させる観点から,国内の研究協力者を研究会に招聘し,そのための旅費として次年度使用額の少なくとも3分の2程度を充当する。次年度使用額の残額については,研究課題に直接関連するイタリア語図書の購入費に充当する予定である。
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