研究課題/領域番号 |
18K01238
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
辻 雄一郎 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (00544892)
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研究分担者 |
牛嶋 仁 中央大学, 法学部, 教授 (50268968)
久保 はるか 甲南大学, 法学部, 教授 (50403217)
黒川 哲志 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (90268582)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 気候変動 / アメリカ / トランプ政権 / EPA / 行政庁 / 温暖化 |
研究実績の概要 |
連邦議会の意思決定が停滞する中、気候変動対策について先駆的な政策を実施してきたカリフォルニア州の対策がどのように他州や連邦法に影響を与えているのかを考察するにあたり、我が国の問題状況を分析し、国際会議で報告を実施した。 H30年度のうちに環境法政策学会でのパネル申請が採択された。またパネル不採択の場合に備えてAsian Law Instituteでの報告を実施することができた。 実績として単著『シェブロン法理の考察』(日本評論社)を上梓し、5月にソウル大学で11月に台北大学の国際会議で研究報告を実施した。また研究分担者の牛嶋、黒川、久保、辻で2018年11月末にAsian Law and Society(ボンド大学、オーストラリア)でClimate law and Policy in Japan:Comparison with Californiaのパネルを主宰して報告を行った。1.Diesel car regulation in Japan and US delegation doctrine, Asian Law and Society Association (ALSA),2018年12月1日。2.Impact of cultural heritage on Japanese towns and villages,Asian Law and Society Association (ALSA),2018年11月30日。 最後に、11月にカリフォルニアバークレーからダニエルファーバー教授を招聘して講演会を開催した。その内容と関連する翻訳を掲載した。1.阿部満、信澤久美子、辻 雄一郎「トランプ時代の米国の気候政策」明治学院大学法学研究 105 235-257 2018年8月。2.阿部満、信澤久美子、辻 雄一郎「翻訳 規制、トランプ政権、シェブロン法理」明治学院大学法学研究15号259-286頁( 2018年8月)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2019年度は、カリフォルニア州の再生可能エネルギー推進の動向(黒川)、カリフォルニア州のEPAの動向(久保)、ア メリカにおける気候変動関連訴訟(牛嶋)、そして、カリフォルニア州の行政機関と連邦政府の関係(辻)について、2019年6月には環境法政策学会にて分科会報告を申請し、東京大学サステイナビリティ学連携研究機構の高村ゆかり教授を司会に迎えて、分科会を主宰する予定である。また、6月にシンガポール大学国際会議での報告、9月にカリフォルニア大学バークレーロースクールと共催して、研究分担者と共にパネルを立てて報告を実施する予定である。2018年の研究報告の一部は、LSU Journal of Energy Law and Resources, vol.7, issue 1(査読付き)で掲載される。また、台北大学での報告も掲載に向けて調整中である。また、二年次と三年次に予定をしていた研究成果の公表のうち、初年度に単著を上梓し、ボンド大学(オーストラリア)で開催されたAsian Law and Societyにてパネルを主宰して研究者と一緒に報告を実施した。また、国立台北大学にて、火力発電所に関する報告を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
2019年の上智大学での環境政策学会での報告とカリフォルニア大学バークレーでの国際会議での報告を論文にまとめ、海外のジャーナルに掲載したい。バークレーでの他国の報告者の研究報告をまとめたかたちで海外のジャーナルに掲載する途を探りたい。気候変動に対するトランプ政権の動きを注意深く観察しながら、大統領、最高裁判所それぞれの各機関の動きを評価する。自動車、電力、再生可能エネルギーといった各分野の動きを検討する。2019年のカリフォルニアでの再生可能エネルギーに関する州の実務も検討したい。2020年の最終年度に研究分担者の報告をまとめて分担単著といったかたちで掲載するかたちを探りたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
各研究分担者が2018年度分を2019年度分に持ち越して2019年度の国際会議の集会の準備に充てているため。
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