研究課題/領域番号 |
18K01243
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
君塚 正臣 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (80266379)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 司法審査基準 / 法の支配 / 適正手続 |
研究実績の概要 |
2021年度は、論説として、「刑事裁判の適正手続の憲法的意味──そして、その司法審査基準について」横浜国際社会科学研究26巻3号1-24頁(2022年1月20日)、「アメリカ連邦最高裁の刑事手続条項に関する判決の継続的考察──続・『違憲審査基準』研究」横浜国際社会科学研究26巻4号1-17頁(2022年2月20日)、「広義の罪刑法定主義と憲法保障──憲法31条の刑事実体的権利性」横浜法学30巻3号131-200頁(2022年3月25日)を公表、研究ノートとして、「経済的自由・社会権ほか──教科書的憲法記述(3)」横浜法学30巻1号279-396頁(2021年9月25日)、「平和主義・裁判所ほか──教科書的憲法記述(4・完)」横浜法学30巻2号169-292頁(2021年12月25日)を公表、判例研究として、「州の重罪事件の陪審についても連邦憲法は全員一致を要求しているか──RAMOS v. LOUISIANA, 590 U.S. -, 140 S. Ct. 1390 (2020) 」横浜国際社会科学研究26巻1号103-129頁(2021年8月20日)を公表、資料として、「教科書的憲法記述図表」横浜国際社会科学研究26巻2号107-118頁(2021年9月20日)を公表し、合衆国最高裁判所判例研究会で報告を行った(2021年9月18日)。このほか、科研費対象ではないが、「チャートで読む政治──憲法のかたち 世界と比較」コメント 日本経済新聞2021年5月3日朝刊9面で解説を行う。未公表だが、論説2、書評1、web解説1を提出済。司法審査基準について、人権条項全体でのそれを解明することを目的としてきたが、これまで刑事手続条項に関しての憲法学からの研究成果は足りないものがあった。以上の研究の結果、一定の明快な結論に達したことにより、一貫した結論を得たように感じている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本科研費を用いて、最終的には著書を刊行する予定であるが、そのいわゆる元論文は既に完成(1本は未公表)し、入札の結果、出版社も決定している。研究としても、これまでの4年間で全体で1000ページを超えるものになりそうな勢いであり、順調である。司法審査基準論全体について、一定の明快な結論に到達したことは大きい。他方、本研究の延長線上に生ずる残余の研究が発生しそうでもあるので、1年の延長を希望したい。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は最終年度にあたり、通算5冊目(『性差別司法審査基準論』(信山社、1996年9月10日)、『憲法の私人間効力論』(悠々社、2008年7月31日)、『司法権・憲法訴訟論 上巻』(法律文化社、2018年1月31日)、『司法権・憲法訴訟論 下巻』(同)に次ぐ)となる論文集の完成を目指す。また、本研究のテーマは、大きくは、民主主義と立憲主義(基本的人権の尊重、権力分立、法の支配)との相剋というところにあり、これを深化させる具体的な次の研究テーマを探すことも需要な課題である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、研究に必要な経費の大半を大学の個人研究費で賄えたため、残余は次年度に持ち越した。 次年度は本助成金の最終年度にあたり、通算5冊目となる論文集の完成を目指す。本書を刊行する出版社は入札の末、決定済みである。次年度使用額が生じた分は、まず、その費用に投入される。
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