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2022 年度 実施状況報告書

憲法訴訟論の適正手続・身体的自由への発展・展開

研究課題

研究課題/領域番号 18K01243
研究機関横浜国立大学

研究代表者

君塚 正臣  横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (80266379)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワード司法審査 / 厳格審査 / 合理性の基準 / 刑事手続 / 幸福追求権 / 立憲主義 / 権力分立 / 独立行政委員会
研究実績の概要

「司法審査基準論体系の再検討─憲法訴訟論の適正手続・身体的自由への発展・展開を踏まえて」横浜国際社会科学研究27巻1号1-34頁(2022年8月20日)、書評「毅然と、正義を追求す─筋の通った熱のある弁論や判決文が法の世界を動かす─ルース・ベイダー・ギンズバーグ=アマンダ・L・タイラー(大林啓吾ほか訳)『ルース・ベイダー・ギンズバーグ─アメリカを変えた女性』(晶文社、2022年)」週刊読書人3441号4頁(2022年5月27日)の刊行を終え、これまでの刊行物を基礎として、『続 司法権・憲法訴訟論─刑事手続と司法審査』i-vii、1-1147頁 (法律文化社、2023年1月25日)を刊行した。これには、前回の科研費基金の際に刊行した『司法権・憲法訴訟論 上巻・下』i-xiv、1-611頁、i-vi、1-762頁(法律文化社、2018年1月31日)では付けられなかった索引を3巻通じて載せることができ、憲法訴訟事典の体裁を整えた。以上が刊行できたことは大きい。本研究の重曹低音的テーマは民主主義と立憲主義の相剋であり、このことは裁判所による憲法判断(司法審査)だけに限らない。これを踏まえ、非三権分立的権力分立のあり方に議論を進めている、「日本における独立行政機関(委員会)の展開─世紀転換期以降の組替えを踏まえて」横浜法学31巻1号161-216頁(2022年9月25日)、「独立行政機関(委員会)の合憲性─権力分立と人権保障と適正手続の中で」横浜法学31巻2号1-48頁(2022年12月25日)、「憲法・統治機構論的教育委員会論(1)─それは『民主的』であることが必須なのか」横浜法学31巻3号97-132頁(2023年3月25日)がそれに該当する。「在外邦人最高裁裁判官国民審査訴訟最高裁判決私的傍論的補足見解」判例時報2536号54-58頁(2023年1月1日)も公表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

研究成果の成果である著書の刊行に至り、かつ、2回分の科研費成果のまとめとしての成果物としての体裁を整え、憲法訴訟・司法審査に関する(賛否はあるとしても)今後の研究の基準となる学説の提示に至った。また、このことから発展的テーマも生まれ、次の展開に踏み出している。この間、「憲法基本書論─独白的ではない基本書執筆に向けて」横浜国際社会科学研究27巻2号19-43頁(2022年9月20日)での検討を踏まえて『憲法─日本国憲法解釈のために』i-xxiv、1-630頁(成文堂、2023年2月25日)の刊行に至ったことで、憲法学の特定分野複数の研究ではなく、憲法学全体を視野に入れた研究の成果であり学説であることが示された(これに関連して、「法雑学のすすめ─『憲法─日本国憲法解釈のために』(成文堂、2023)の周辺」横浜国際社会科学研究27巻4号85-116頁(2023年2月20日)も参照。続編執筆中)。「『天皇・皇族の人権』論─『人権総論』の最終走者、『外国人の人権』論のコインの裏表として」エトランデュテ4号314-345頁(2022年9月5日)も公表した。

今後の研究の推進方策

憲法訴訟、司法審査の研究は一応の成果を得たので、その発展的展開として、民主主義と立憲主義の相剋の問題に研究を広げる。2023年度はその基盤となる、独立行政委員会や準司法機関について、諸法横断的に検討することを予定している。今後の発展(成果は著書として刊行する)を希望しているので、2024年度以降も科研費の採用を求めるが、2023年度は、その前に、司法審査との関連性についても議論を深めておきたい。

次年度使用額が生じた理由

研究の継続が必要となり、その継続的課題を実施するため。学内の研究費が少なく、法律系に与えられている図書費等が非常に少ないことも補足的理由である。残金は185,428円である。

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (10件) (うちオープンアクセス 7件、 査読あり 3件) 図書 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 在外邦人最高裁裁判官国民審査訴訟最高裁判決私的傍論的補足見解2023

    • 著者名/発表者名
      君塚正臣
    • 雑誌名

      判例時報

      巻: (2536) ページ: 54-58

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 憲法・統治機構論的教育委員会論(1)──それは「民主的」であることが必須なのか2023

    • 著者名/発表者名
      君塚正臣
    • 雑誌名

      横浜法学

      巻: 31(3) ページ: 97-132

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 新司法試験(憲法)論文式問題解説 2018-2022年──司法試験サンプル問題解説及び司法試験・法科大学院雑感を含む2023

    • 著者名/発表者名
      君塚正臣
    • 雑誌名

      横浜国際社会科学研究

      巻: 27 ( 3 ) ページ: 93-128

    • DOI

      10.18880/00015016

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 法雑学のすすめ──『憲法─日本国憲法解釈のために』(成文堂、2023)の周辺2023

    • 著者名/発表者名
      君塚正臣
    • 雑誌名

      横浜国際社会科学研究

      巻: 27 ( 4 ) ページ: 85-116

    • DOI

      10.18880/00015191

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 司法審査基準論体系の再検討──憲法訴訟論の適正手続・身体的自由への発展・展開を踏まえて2022

    • 著者名/発表者名
      君塚正臣
    • 雑誌名

      横浜国際社会科学研究

      巻: 27(1) ページ: 1-34

    • DOI

      10.18880/00014079

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 「天皇・皇族の人権」論──「人権総論」の最終走者、「外国人の人権」論のコインの裏表として2022

    • 著者名/発表者名
      君塚正臣
    • 雑誌名

      エトランデュテ

      巻: (4) ページ: 314-345

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 憲法基本書論──独白的ではない基本書執筆に向けて2022

    • 著者名/発表者名
      君塚正臣
    • 雑誌名

      横浜国際社会科学研究

      巻: 27(2) ページ: 19-43

    • DOI

      10.18880/00014802

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 日本における独立行政機関(委員会)の展開──世紀転換期以降の組替えを踏まえて2022

    • 著者名/発表者名
      君塚正臣
    • 雑誌名

      横浜法学

      巻: 31(1) ページ: 161-216

    • DOI

      10.18880/00014779

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 独立行政機関(委員会)の合憲性──権力分立と人権保障と適正手続の中で2022

    • 著者名/発表者名
      君塚正臣
    • 雑誌名

      横浜法学

      巻: 31(2) ページ: 1-48

    • DOI

      10.18880/00014881

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 毅然と、正義を追求す──筋の通った熱のある弁論や判決文が法の世界を動かす──ルース・ベイダー・ギンズバーグ=アマンダ・L・タイラー(大林啓吾ほか訳)『ルース・ベイダー・ギンズバーグ─アメリカを変えた女性』(晶文社、2022年2022

    • 著者名/発表者名
      君塚正臣
    • 雑誌名

      週刊読書人

      巻: (3441) ページ: 4

    • 査読あり
  • [図書] 続 司法権・憲法訴訟論──刑事手続と司法審査2023

    • 著者名/発表者名
      君塚正臣
    • 総ページ数
      1154
    • 出版者
      法律文化社
    • ISBN
      9784589042507
  • [図書] 憲法──日本国憲法解釈のために2023

    • 著者名/発表者名
      君塚正臣
    • 総ページ数
      654
    • 出版者
      成文堂
    • ISBN
      9784792307103
  • [図書] 高等学校 公共2022

    • 著者名/発表者名
      苅部直,川崎誠司,君塚正臣,中島隆博,宮川大介,脇田成,渥美利文,上原功,内久根直樹,平岡可奈之
    • 総ページ数
      232
    • 出版者
      帝国書院
    • ISBN
      9784807165377
  • [図書] 高等学校 公共 指導資料 指導用教科書2022

    • 著者名/発表者名
      苅部直,川崎誠司,君塚正臣,中島隆博,宮川大介,脇田成,渥美利文,上原功,内久根直樹,平岡可奈之
    • 総ページ数
      232
    • 出版者
      帝国書院
    • ISBN
      9784807165988
  • [備考] 「『法の支配』とは何か」指導書Webサポート 高等学校 公共 指導資料 著作者からのメッセージ

    • URL

      https://www.teikokushoin.co.jp/guidance-book-support/detail/4/page/55/

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公開日: 2023-12-25  

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