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2022 年度 実績報告書

超スマート社会における決済システムの発展を踏まえた租税情報処理制度の法的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K01245
研究機関名古屋大学

研究代表者

高橋 祐介  名古屋大学, 法学研究科, 教授 (50304291)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード経済のデジタル化 / Tax Gap / プラットフォームビジネス
研究実績の概要

本研究は、新たな決済システムが発展しつつも現金が決済手段の約8割を占める日本社会の特殊性を前提に、近時のデジタル・エコノミーやクレジットカードなどの取引決済にみられる事業者への情報集約現象やリアルタイム処理のクラウド会計システムなどに着目して網羅的・目的限定的に情報を取得することにより、徴税漏れ(Tax Gap)を縮小しつつ、当該情報の適切な加工・利用を行う法的システムを構築することを目的とする。
本年度の成果:コロナ禍により研究期間を1年延長しつつ、具体的な最終制度モデルと現状評価、さらにキャッシュでの評価の困難な税や情報処理における専門職の役割の評価などを目的とした。キャッシュレス化を前提とした事業者への情報集約とそれに伴う目的限定的情報取得は現時点でもある程度実現化しているが、事業者負担を考慮したため簡易迅速な情報収集は限定的なものに留まり、中途半端な情報収集による不正申告の可能性といった問題が生じている。
期間全体の成果:キャッシュレス化や事業者への情報集約は引き続き進展し、課税庁によるその取得はかなり事業者側に配慮しながら国内的に実施され(令和元年度税制改正による国税通則法74条の7の2、74条の12第1項等)、国際的にもプラットフォーマーが把握しているシェアリング/ギグ・エコノミーなどの売主に関する情報申告に関する国際的統一ルールに関する議論が深まりつつある。研究期間中にマイナンバーカードの急速な普及やそれに伴うスマホによる確定申告書の提出、キャッシュレス納税など、本研究が目指すモデルを超えて、徴税漏れを縮小しながら情報の適切な加工・利用を行う法的システムが構築されつつある。他方、伝統的(現金)取引の非公式経済化、評価困難性を抱える税の問題や課税庁が入手した情報のクロスチェックが不十分といった「宝の持ち腐れ」現象が生じている。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (6件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] FOCUS 固定資産評価基準が定める需給事情による減点補正率の適用が違法とされ、原判決を変更して審査決定の一部のみが取り消された事例(仙台高裁令和4年5月26日判決(未公刊・LEX/DB25592812))2023

    • 著者名/発表者名
      高橋祐介
    • 雑誌名

      税研

      巻: 227 ページ: 86-89

  • [雑誌論文] 裁判例からみた不動産取得税の構造と問題2022

    • 著者名/発表者名
      高橋祐介
    • 雑誌名

      同志社法學

      巻: 74(3) ページ: 1313-1333

    • DOI

      10.14988/00029039

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 判例批評 利益・資本剰余金の混合配当の法人税法上の取扱い[令和3.3.11最高裁第一小法廷判決]2022

    • 著者名/発表者名
      高橋祐介
    • 雑誌名

      民商法雑誌

      巻: 158(2) ページ: 347-360

  • [雑誌論文] FOCUS 宗教法人本部事務所の管理人室は固定資産税等が課税されない境内建物に該当するか(東京地裁令和3年9月21日判決(裁判所ウェブサイト・LEX/DB25602026))2022

    • 著者名/発表者名
      高橋祐介
    • 雑誌名

      税研

      巻: 223 ページ: 86-89

  • [雑誌論文] 相続税法上の更正の請求に対する拒否通知処分/更正処分における財産評価修正の是非と両処分の関係(最判令和3年6月24日民集75巻7号3214頁)2022

    • 著者名/発表者名
      高橋祐介
    • 雑誌名

      ジュリスト(令和3年度重要判例解説)

      巻: 1570 ページ: 176-177

  • [雑誌論文] 税務調査・争訟と専門職責任[講演録]2022

    • 著者名/発表者名
      高橋祐介
    • 雑誌名

      租税研究

      巻: 870 ページ: 173-183

  • [学会発表] 田中啓之会員の報告に対するコメント2022

    • 著者名/発表者名
      高橋祐介
    • 学会等名
      租税法学会第51回研究総会
    • 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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