研究課題/領域番号 |
18K01248
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05020:公法学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松本 和彦 大阪大学, 高等司法研究科, 教授 (40273560)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 憲法 / 環境法 / ドイツ法 / 環境リスク / 民主主義 / 法治主義 |
研究成果の概要 |
本研究は、公法の観点から、環境リスク・マネジメントを規律する法的枠組みがいかにあるべきかを解明するため、反省法・学習法としての環境法の構造分析を行い、憲法学を中心とする公法学の基礎理論(とりわけ民主主義原理と法治主義原理)に遡って、その有り様を再検討したものである。併せて科学的に不確実な状況下での環境リスク・マネジメントの過少性・過剰性に対処するため、予防原則と比例原則にも再検討を加え、その法構造の一端を明らかにした。その結果、当該法的枠組みは柔軟で可変的なものでなければならず、かつ、民主過程における様々な関係者とのコミュニケーションを受け入れるものでなければならないことが分かった。
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自由記述の分野 |
憲法学、環境法学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
環境リスク・マネジメントは、潜在的に危険な環境リスクに対し、受忍可能なコストを支払うのと引き換えに、現在及び未来に向けて、その顕在化を防止しようとするものである。リスク顕在化の防止は、ともすれば必要以上の犠牲を強いるが、リスクを過小評価すれば、顕在化したときに取り返しがつかなくなる。このようなリスク・トレードオフに対処するには、公法学で蓄積のある予防原則と比例原則の議論が有益だと分かった。またリスク・トレードオフへの対処の際、単にリスク・ベネフィット分析を行うだけでなく、民主的コミュニケーションに付することが、価値判断を伴わざるを得ない環境リスク・マネジメントに不可欠だと明らかになった。
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