わが国では、行政作用の効率性と法律に適合した行政作用との間には相克があるものと理解される向きもあるが、本研究によれば必ずしもそうではなく、租税法上の原則の理解に応じて親和する、あるいは両立するものとして位置づけることが可能である。加えて、本研究は、効率的な行政活動の具体像につき、税務行政に素材を求め、具体的な行政活動(例、納税申告の処理・電子申告、事前照会、事実に関する合意、電磁的記録に係る税務調査)について、ドイツ租税法を素材として、内実・問題点を明確にした。これにより、わが国の租税実務の効率化のための参考例を供することができたと考える。
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