研究実績の概要 |
最終年度は、団体規制法の中でもとりわけ宗教団体に焦点を当てて、理論的・制度論的検討を行った。 1)井上武史「宗教団体規制の現況と課題:憲法の観点から」(ジュリスト1585号、2023年、28~33頁)では、宗教団体に対する規制を網羅的に取り上げて、それぞれの現況と理論的な課題を検討した。また、Takeshi Inoue, <Le Japon face aux mouvements sectaires>, Revue des deux cites, 12/2023, p. 255~270では、とりわけ2022年に制定された法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律の問題を取り上げて検討した。 2)ポワティエ大学(フランス)で開催された国際シンポジウム<Les systemes de protection sociale face aux crises>にて、Etat de droit face a la crise sanitaire :le cas japonais(衛生危機における法治国家原理:日本の場合)>と題する研究報告を行ったほか、トゥール大学(フランス)で開催された国際シンポジウム<Paxa Europa. L’Union europeenne, espace de paix en sursis ?>にて、<Le pacifisme de la Constitution japonaise : un principe universel ou une exception japonaise ?>と題して、日本憲法の現状と理論に関する報告を行った。さらには、研究期間全体の集大成として、パリ・シテ大学にて日仏研究集会<Regard juridique sur la religion en democratie(リベラル・デモクラシー社会における宗教に対する法的まなざし>を共同コーディネーターを務め、同集会にて<Le principe de separation des cultes et de l’Etat est-il intrinsequement compatible avec la liberte de religion ? : Le cas japonais(政教分離原則は本質的に信教の自由と両立するのか:日本の場合)>と題する報告を行った。
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