| 研究課題/領域番号 |
18K01258
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| 研究機関 | 専修大学 |
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研究代表者 |
榎 透 専修大学, 法学部, 教授 (90346841)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | ヘイト・スピーチ / 国家権力 / ヘイト・スピーチ規制 / 表現の自由 |
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的は、日本社会に存在するヘイト・スピーチをなくしていくための理論と方法（規制の是非を含む）を、日本の実態に即して検討することである。令和２年度は、主に(1)規制を行う国家権力の性格や実態についての検討と、(2)日本においてヘイト・スピーチ規制を行うべきかどうか、規制する場合にはどのようなヘイト・スピーチに、どのような規制を加えるべきなのか、その規制を加えなければヘイト・スピーチは解消しないのかについての検討を行った。
(1)については、ヘイト・スピーチを取り巻く国家権力の問題が、いま現実に生じている種々の問題とも関連する側面があることを確認したうえで、日本における国家の権力行使の現実を把握することに努めた。法規制は、規制の主体が公権力の行使者であることから、この問題が極めて重要な問題であることを確認した。また、(2)については、「権力は腐敗する」という思想的・歴史的・理論的な国家権力観はもちろんのこと、(1)で検討したように権力の現実を踏まえない法規制に関する議論は自由に対する大きな危険をはらむことを考察した。
なお、当初予定していた国内外での研究報告や打合せは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響でその実施を見送った。また、ヘイト・スピーチに関する規制に積極的な立場と規制に消極的な立場に関する米国の最新の理論動向の検討を行う予定であったが、研究上の必要から、上記(1)(2)の検討を優先した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初予定していた国内外での研究報告や打合せは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響でその出張を見送った。また、規制を行う国家権力の性格や実態については、令和２年に論文をまとめる予定であったが、現実の日本社会における種々の動きも分析する必要があると考え、次年度でも検討すべきであると判断した。また、日本におけるヘイト・スピーチ規制の是非、法規制に依存しないヘイト・スピーチ対策の検討は、国家権力の性格や実態に関する考察をある程度終えてから、論文としてまとめる必要があると判断した。このような理由から、本研究の期間を延長するに至った。
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| 今後の研究の推進方策 |
令和３年度は、(1)規制を行う国家権力の性格や実態についてのさらなる検討を行う。それを踏まえて、(2)日本においてヘイト・スピーチ規制を行うべきかどうか、規制する場合にはどのようなヘイト・スピーチに、どのような規制を加えるべきなのか、その規制を加えなければヘイト・スピーチは解消しないのかについて、立法事実に基づく丹念な検証を行う。(3)さらに、法規制に依存しないヘイト・スピーチ対策を追求する。そして(1)～(3)の検討・考察の結果を論文としてまとめる。なお、ヘイト・スピーチに関する規制に積極的な立場と規制に消極的な立場に関する米国の最新の理論動向の検討は、必要な範囲で実施する。
国内外の出張を伴う研究報告や打合せは実施せず、必要かつ可能な範囲でオンラインで対応する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた最大の理由は、人型コロナウイルス感染拡大の影響で、研究打合せ及び研究発表のために予定していた海外及び国内出張を取りやめたからである。令和３年度も、出張に行くことができるか、あるいは、行くことが適切であるのかは不透明である。このため、出張に代えて必要かつ可能な範囲でオンラインで対応せざるを得ないと判断した。助成金については、主として物品費に使用する。
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