• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実施状況報告書

クロス・ボーダー取引と課税繰延

研究課題

研究課題/領域番号 18K01265
研究機関立命館大学

研究代表者

宮本 十至子  立命館大学, 経済学部, 教授 (30351315)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードBEPS / 課税繰延 / EU / 租税回避防止指令 / 組織再編税制
研究実績の概要

本年度は、コロナ禍のため、ドイツでの学外研究による現地調査が実施できず、研究計画の変更を余儀なくされた。国内及び国際学会の開催が延期され、オンラインでの実施に変更されたなかで、EATLP総会(6月)、IFA総会(11月)、MPI研究会等の国際学会及び研究会にZoomで参加し、国際課税の最新の動向を確認した。さらに、日本税法学会大会、租税法学会総会、日本年金学会総会、IFA日本支部セミナー、関大租税法研究会等にZoomで参加し、情報収集に努めた。
組織再編税制の裁判例を取り上げ、法人による適格現物出資制度の沿革、外国事業体の税法上の性質決定を検討し、外国パートナーシップ持分の国際的現物出資と課税繰延についての課題を明らかにし、国境超えた課税繰延所得に対する課税権確保の必要性、組合(パートナーシップ)と恒久的施設の認定の課題を指摘し、その研究成果の一部を報告し、公表した(「適格現物出資と国内事業所の判定」)。この研究から、パートナーシップにおけるPE認定について比較法研究を進めつつある。
OECDのBEPS(税源浸食と利益移転プロジェクト)報告書の議論を受けて制定されたEUの租税回避防止指令(ATAD及びATADⅡ)を実施すべく、ドイツは、ATAD導入税法が制定され、その動向と課題について研究報告した(「ATAD導入に向けたドイツ出国課税の改正」)。EU法との整合性を図ったドイツ国内法の新たな出国課税規定は、支払課税繰延方式(納税猶予制度から延納制度)の統一化と第三国への拡張、要件の厳格化が図られ、その影響についての研究成果は、次年度初めに公表予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルス感染により、ドイツでの学外研究が渡航できず現地調査中止、国際学会等の延期が続き、研究発表や研究のとりまとめがずいぶん遅れている。

今後の研究の推進方策

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、令和3年度に予定されていたEATLP総会、IFA総会、日本税法学会総会等が延期またはオンラインでの開催に変更されつつある。
ドイツでの学外研究も渡航の目途が立たない状況にあるが、入国緩和された段階で対応できるよう研究計画を変更する(研究期間を1年延長する予定)。
オンラインによる研究会、学会への参加、データベースの利用により、現時点でできる方法で研究発表を継続する予定である。

次年度使用額が生じた理由

(理由)新型コロナウイルス感染拡大により、ドイツへの学外研究の実施、国際学会の開催等が延期されたことにより、調査旅費が執行できなかった。
(使用計画)海外文献の購入により執行予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 適格現物出資と国内事業所の判定2021

    • 著者名/発表者名
      宮本十至子
    • 雑誌名

      新・判例解説Watch

      巻: 28 ページ: 261-264

  • [学会発表] ATAD導入に向けたドイツ出国課税の改正2021

    • 著者名/発表者名
      宮本十至子
    • 学会等名
      第122回関大租税法研究会
  • [学会発表] 塩野義製薬事件 -東京地裁令和2年3月11日判決-2020

    • 著者名/発表者名
      宮本十至子
    • 学会等名
      第116回関大租税法研究会
  • [備考] 立命館大学研究者学術情報 データベース

    • URL

      https://research-db.ritsumei.ac.jp/rithp/k03/resid/S000115

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi