研究課題
最終年度は、在外研究のため、令和2年10月から続いて、4月から9月末までルクセンブルクマックスプランク手続法研究所にて客員研究員として研究を行った。研究所での研究会はオンラインで開催されており、それに参加した。研究所の研究員およびゲスト研究員の方と交流を深め、意見交換を行った。また、研究所の建物と同じ建物にルクセンブルク大学がおかれており、コロナ禍のためオンラインで開催されていたEU法セミナーに定期的に参加した。交流は続いており、帰国してからも引き続きオンラインでEUセミナーに参加している。EU権限と個人の権利を今回主要なテーマとしており、この文脈で環境との関係で個人の権利を認める判決がオランダ、フランス、ドイツ等で下されていることに注目し、環境と人権の問題により深く取り組んだ。その際、ルクセンブルクの研究所の図書館を利用し、その資料収集支援を受けることができた。11月には、その成果の一部として、マックスプランク研究所のシンポジウムにおいて、「EUにおける将来世代の権利」をテーマとして、英語で報告した。EU権限および人権にかかわるEU司法裁判所の判例を研究し、その成果を隔月で執筆し、自治研究において公表した。ルクセンブルクに滞在していることを活かして、EU司法裁判所を訪問し、長官、第一法務官等の裁判所関係者にインタビューを行い、上述した研究所での文献収集やそのセミナーの参加を活かして、『EU司法裁判所概説』(信山社)を執筆し、刊行した。また、英国離脱後にEUと英国が二国間協定を締結した。この協定を権限の観点から分析した。一橋EU法研究会でBrexitに関するシンポジウムを開催し(5月、7月)、7月に報告を行った。その成果は、雑誌『EU法研究』11号に公表された。加えて、12月には、フランスのトゥール大学のハイブリッドの国際シンポジウムで報告を行った。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)
自治研究
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