研究実績の概要 |
今年は、先行研究の調査、関連仲裁判断例の調査、および、現在この問題についても議論が進みつつある国連国際商取引法第三作業部会における投資条約仲裁改革の審議状況の追跡を行った。 そして、国連国際商取引法第三作業部会での議論と並行して、それに研究者の立場から学術的に貢献することを目的として設立されたAcademic Forum on ISDSに構成員として参加し、その共同研究の一環として投資条約仲裁における仲裁人の中立性・不偏性について中間報告を行い(Academic Forum on ISDS Vienna Meeting, 31 October 2018 at the University of Vienna)、共同研究者の一名がその成果の要約を関連学会のブログ投稿(Chiara Giorgetti, "Independence and Impartiality of Arbitrators in Investor-State Arbitration: Perceived Problems and Possible Solutions", EJIL Talk!, 2019)の形で行い、現在、2019年度に共同研究として論文を専門学術誌に発表すべく、共同で準備を進めている。 その論考の内容は、これまでの問題を包括的に整理した上で、考えられる制度改革オプションごとにその対応可能性・長短を論じるものである。まだ完成までには多少の時間を要するが、本問題について世界の第一線で活躍する専門家達と共同研究の機会を得たのは貴重であった。
|