本研究は、日韓の新しい国際裁判管轄法制の立法化の動きを受けて、日韓における国際裁判管轄に関するルールの形成・適用 ・発展を比較法的観点から分析することによって、アジアにおける国際裁判管轄法制の調和の可能性や方向性を模索するものである。本研究では法規範の形成・適用・発展の過程で見られる国際的な統合(convergence)の側面と地域的な分散化(divergence)の側面が、国際裁判管轄に関する法制にはどのように現れているかを、日韓での国際裁判管轄法制の発展過程を素材に理論的かつ実証的に分析し、日韓でみられる営為が他のアジア諸国に如何に波及し、影響し合うかを考察した。
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