研究課題/領域番号 |
18K01282
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05030:国際法学関連
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
岩月 直樹 立教大学, 法学部, 教授 (50345112)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 一方的措置 / 経済制裁 / 基本的人権 / 非軍事的措置 / 人道危機 / 対抗措置 / 国際紛争の平和的解決 |
研究成果の概要 |
国際社会における基本的利益を侵害する行為(例えば基本的人権の重大な侵害等)を行う国がある場合、経済制裁、とりわけ通常であればそれ自体が禁じられる措置に訴えることで是正するよう求めることが、他国に認められるのか。この問題について、国連における検討作業、具体的な事案における諸国家の実行と学説の検討を通じて、どのような場合であれば国際法上認められるようになっているかを、検討した。 国が人民の政治的選択に関わる基本的人権を重大に侵害する場合には、他国による個別的あるいは集団的な一方的措置が認められうるが、現状ではそれを国際社会全体に対する義務の違反の場合として一般化する形で認められるには至っていない。
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自由記述の分野 |
国際公法
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
国際社会には義務違反の是正と救済を確保する公権的な機関が存在しないことから、各国が自らが適当と考える措置に訴えることによって事態への対応をはかる自力救済の余地を認めざるを得ない。しかし、そうした自力救済が必要であると各国が自ら判断すれば認められるのでは、国際秩序は成り立たないため、そうした一方的措置の行使については国際法による規律が必要であり、現に存在する。もっとも、そうした規制は慣習法という不文法の形で存在するため、その内容を把握することは難しい。本研究は、諸国家の実行や政府見解を調査し、それらを学説の検討に基づく理論的・体系的な観点から評価することで、現状の法的規制の明確化を試みた。
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