2022年度は、主として気候変動に関連する国際経済紛争と経済安全保障に関連する国際経済紛争処理を研究テーマとした。 別途掲載する出版業績の他、多数の国際会議や学会で発表をおこなった。シンガポール国立大学主催の国際会議Investment Protection and Climate Change Regulatory Reform in Asiaにおいてパネリストを務めた。アメリカ国際法学会においては、(日本)国際法学会主催のセッション(経済安全保障や気候変動に関するインド太平洋地域の国際的枠組みの検討)を企画するとともにモデレーターを務めた。日本国際問題研究所(JIIA)公開ウェビナー「グローバル化の新たな時代:WTOは新たな国際環境にいかに貢献できるか?」においてはWTO事務局長講演のディスカッサントとして主としてWTO紛争処理の今後についてコメントした。APECタイ2022の関連で開催されたワークショップ"APEC Workshop on Current Trends on Dispute Settlement Mechanisms in Trade Agreements"では、パネリストとして紛争処理の今後について発表した。 また研究会での報告も複数おこなった。一般財団法人国際貿易投資研究所(ITI)の研究会では、WTO紛争処理の現状と改革の方向性のほかFTA紛争処理の今後についても検討した。経済産業省研究会においては、インドネシア-ニッケル鉱石輸出関連措置パネル報告について評釈を行った。このほかエネルギー関連投資仲裁関連国際共同研究グループの会議においてモデレーターを務めた。 研究期間を通じ、国際経済紛争処理に関する書籍や論文を発表したほか、学会や国際会議での発表もおこなった。研究期間を通じた集大成として、単著「貿易紛争とWTO」(法律文化社、2022年)を出版した。
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