9.11以来「新しい戦争」が戦われていると主張されているが、それは武力紛争に適用される国際人道法に何らかの構造的な変化を迫るものであろうか?本研究では、外国による領域支配や軍事組織への支援といった従来多くみられ、国際人道法の主要な研究課題でもあった現象が、よりソフトな非軍事的な形で実行可能となっている現実をふまえて、国際人道法による人道的保護の提供にあたってそのような新しい支配のスタイルがどのような影響を及ぼしているかを検討した。これを通じて、テロとの戦争、プロクシ(傀儡勢力)による戦争、SNSなども総動員したハイブリッドな戦争などの武力紛争の今日的現実に適合的な国際人道法の可能性を検討した。
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