本研究は、雇用・就労形態の多様化の文脈における、新しい就労形態で役務を提供する者の集団を通じた集団的労働関係法上の権利に基づく個別的労働関係法上の権利実効の可能性、そして、そうした権利行使過程の中で構想されうる新たな個別的な権利の可能性の有無とその内容を、イギリス労働法における議論を比較研究の対象とし、析出していった。コロナウィルス感染拡大の影響により、現地でのインタヴューを行うことはできなかったが、そうした集団において特に問題とされる権利、また、そうした集団に関連して問題になりうる権利利益に関する紛争(裁判例)を分析し、個別的な権利や利益、あるいは、企業組織に係る権利や利益を明らかにした。
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