研究課題/領域番号 |
18K01302
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研究機関 | 神奈川県立保健福祉大学 |
研究代表者 |
西村 淳 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (20746523)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 社会保障法 / 地域福祉 / コミュニティケア |
研究実績の概要 |
延長後の4年目である2021年度は、横須賀市内において、昨年度実施予定であったものの新型コロナウイルス蔓延のため一部実施できなかった、地域福祉の実務関係者によるワークショップを継続することを予定していたが、コロナウイルスの再蔓延のため実施できなかった。その代わりに、横須賀市地域福祉課、横須賀基督教社会館、しろいにじの家、子どもの夢サポートセンター、グリーンハイツゆいの広場、民生児童委員協議会など、横須賀市内において地域福祉に関わっている関係機関・関係者を訪問し、具体的な取組についてのヒアリングを行うとともに、地区における営利・非営利の福祉サービスの具体的な連携のあり方とネットワークについての調査を継続し、一定の成果を得ることができた。 一方、もう1つの柱であるイギリスでの調査に関しては、地域福祉における参加支援のあり方と権利のあり方を中心に、日英比較についての文献調査を継続し、一定の成果を得た。しかしながら、予定していた現地調査と国際シンポジウムは新型コロナウイルス感染再拡大のため実施できなかったため、文献調査と情報収集にとどまらざるを得なかった。 このように、新型コロナウイルス蔓延の影響を受け、当初予定していた成果を得ることができず、研究を終了できなかったので、2021年度までとしていた研究計画を再変更し、2022年度まで延長する補助事業延長申請を行い、承認されたため、2022年度に引き続き研究を行うこととした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
延長後の4年目である2021年度は、日本において、地域における福祉サービスのネットワークの全体像を明らかにするため、横須賀市における地域ワークショップを開催するとともに、地域福祉関係者の調査を行うことにしていたが、新型コロナウイルス再蔓延の影響でワークショップを行うことはできず、関係者の個別調査を進めることにとどまった。 一方、イギリスの関係者と連絡を取って、イギリスの情報提供・権利擁護・相談援助などの個人利用支援、地域計画・人材育成・資源開発・ネットワークづくりなどの地域支援、住民集会・行政手続など政策過程参加支援の仕組みについてなど地域福祉の制度に関する調査を進めるとともに、日英比較の観点と、地域福祉における権利性の分析の観点を重視して分析のまとめを行い、横須賀市またはメドウェイ市において総括的な国際シンポジウムを行う予定にしていたが、新型コロナウイルス蔓延の影響で実施できたものは文献調査だけとなった。 このため、2021年度までとしていた研究計画を再変更し、2022年度まで延長する補助事業延長申請を行い、承認された。 当年度までの成果は、西村淳「地域共生社会と社会福祉」「地域共生社会における地域福祉法制―個人支援と地域支援の現状と課題」西村淳編著『地域共生社会と社会福祉』法律文化社(2021年9月)及び「地域共生社会におけるソーシャルワークと法(飯島淳子・井手英策・菊池馨実・西村淳・山本龍彦・笠木映里による座談会)」『法律時報』Vol.94 No.1(2022年1月号)において発表した。
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今後の研究の推進方策 |
延長した最終年度である5年目には、横須賀市内での地域福祉関係者の協力を得た調査を踏まえ、地域福祉の法的権利にかかる運用実態と課題についての整理を行うこととしている。 また、必要に応じてオンライン等の手法も活用してイギリスの関係者と連絡を取って、イギリスの情報提供・権利擁護・相談援助などの個人利用支援、地域計画・人材育成・資源開発・ネットワークづくりなどの地域支援、住民集会・行政手続など政策過程参加支援の仕組みについてなど地域福祉の制度に関する調査を進めるとともに、とくに日英比較の観点と、地域福祉における権利性の分析の観点を重視して分析のまとめを行う。 これらを踏まえ、研究結果を総括するとともに、日英比較を踏まえた地域福祉の法的権利構造の解明と構築についての研究成果について積極的に学会報告・論文発表等を行っていくこととしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
4年目に当たる2021年度においては、イギリスの関係者と連絡を取って、現地調査と分析を進めるとともに、横須賀市またはメドウェイ市において国際シンポジウムを行い、研究結果を総括する予定であったが、新型コロナウイルス蔓延の影響でほとんど実施できなかったため、補助事業の1年延長を行い、次年度使用に回さざるを得なかった。 5年目にあたる2022年度においては、コロナ禍のためなお訪英が難しい場合はオンラインなどの方法によって調査等を行うとともに、その結果の分析を踏まえてこれまでの調査研究の総括を行い、調査報告書を論文等の形でまとめ、学会及び調査関係者等に対して発表を行っていく予定である。
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