研究課題/領域番号 |
18K01303
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
伊奈川 秀和 東洋大学, 社会学部, 教授 (90304708)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 需給調整 / 社会福祉 / 医療 / デジタル化 / 地域共生社会 / 全世代型社会保障 / インセンティブ |
研究実績の概要 |
今年度は人口減少の中での地域社会のダウンサイジングという現下の日本の状況を踏まえ、地域包括ケアシステム、地域共生社会や全世代型社会保障という国内の動向を反映した研究を進めた。特に地域社会の医療及び福祉以外のインフラストラクチャーや社会資源が脆弱化する中において、福祉や医療だけでは地域社会は成立しないことを念頭に置きながら、必要なサービスを日常生活圏域で確保することの必要性やそのための対応に着目した。このためには実態に即した議論が必要であり、医療及び福祉の需給調整の当事者である福祉関係者との勉強会を行い、現在の社会福祉法人が置かれた状況を的確に把握することにより、人口減少社会を乗り越えるために必要な医療及び福祉サービスの在り方に関する理解を深めた。また、比較対象国であるフランスについては、文献研究を通じて、医療及び福祉の人的・物的資源の偏在に対応するための遠隔診療等のデジタル化、人材養成及びその適正配置に関する各種インセンティブの付与、社会福祉の営利企業参入がもたらした虐待事案等への対応を研究の参考にした。 これらの研究の成果の一端は、論文である「一般化から普遍化へ : 健康保険をフランスの医療保険から考える」『健康保険』76(9) 12-17において医療・福祉資源の偏在に対して国家の関与を強めるフランスの社会保障の変質とその中での需給調整の各種手法を分析・考察するとともに、「全世代型社会保障改革の課題と展望」『週刊社会保障』77(3201) 28-33において高齢者から若年者への負担の付け替えではない全世代型社会保障改革の本質としての、時間軸や所得軸に加え地域軸を提示し、ファイナンスとデリバリーの接合についてフランスの制度も参考に論じた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍でフランスでの現地調査等はできなかったが、文献研究等により、フランスの現下の課題や対応策の動向を把握することができた。また、研究成果は、論文等により公表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
延長後の研究の最終年度として、引き続き研究の深化を図り、論文等の形でその成果を公表していきたい。また、コロナの状況にもよるが、フランスの医療及び社会福祉の改革の直近の動向も現地調査を通じて把握し、研究に反映していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のためフランスにおける現地調査(国外出張)ができなかったことによる。
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