研究課題/領域番号 |
18K01309
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研究機関 | 独立行政法人大学改革支援・学位授与機構 |
研究代表者 |
石井 徹哉 独立行政法人大学改革支援・学位授与機構, 研究開発部, 教授 (20351869)
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研究分担者 |
岡部 雅人 国士舘大学, 法学部, 教授 (30453989)
伊藤 嘉亮 早稲田大学, 社会科学総合学術院(先端社会科学研究所), 助教 (00837792)
冨川 雅満 九州大学, 法学研究院, 准教授 (80781103)
山下 裕樹 神戸学院大学, 法学部, 講師 (20817150)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 過失 / ロボット / AI / 行為能力 / 道路交通法 |
研究実績の概要 |
今年度は、研究分担者及び研究協力者ととともに、これまでの調査研究において明らかとなった問題点を整理し、各自が主として担当してきた部分について、日独の比較法を踏まえ、本研究に関する研究成果として書籍をまとめるべく、研究会をネットを通じて開催した。また、各自がとりまとめた草稿等を共有し、随時研究チームにおいて参照し、あるいは相互に検討できる環境を構築して、新型コロナの蔓延状況に対応しつつ調査研究を進めた。 なお、本研究課題に関して、(1)ロボットまたはAIに関する日独の議論状況の概要とその比較検討、(2)AIそれ自体の行為主体性、(3)AIによる社会的損害に対する刑事責任のあり方、(4)自動運転自動車等に関する道路交通法上の課題を分担して成果をとりまとめることとした。(2)については、一般的な行為主体性、処罰可能性のみならず、AIまたはロボットと人間との競合によるある種の「共犯」的責任まで検討している。また、(3)においては、過失責任を中心として、複数の観点から新たな理論構築の可能性を検討する門となっている。 当初の研究計画では、研究チームにおける調査研究のとりまとめと並行して、ドイツへ出張し、現時点での成果を海外研究協力者と共有して、日独の比較法研究をより深める予定であったが、状況に鑑みて断念せざるをえなかった。そのため、これに代えて、ネットベースでのやりとりならざるをえず、実際に面談しつつ、ドイツにおける若手研究者を交えての議論などが十分にできず、やや不十分なものとなった。そのため、この点について、研究の進捗がやや遅れてしまった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
上記実績状況においてしめしたように、日独の比較法研究に遅れが認められる。また、新型コロナの感染拡大により、年度当初に緊急事態宣言が発出されたことで、大学等における資料調査等が困難になり、新たな授業準備等のため多大な時間をとられるなど、研究チームの個々の研究及び研究会などが寸断せざるをえなかった。 これらの要因により、最終的な研究成果のとりまとめが当初の予定より大幅に遅れる結果となった。
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今後の研究の推進方策 |
現在までの進捗状況において述べたように、新型コロナの感染拡大による影響により、本調査研究が当初の計画通り実施できず、最終的な成果をとりまとめるにいたらなかったことから、研究計画を変更し、ネットを中心とした共同研究へと変化させた。これにより、ようやく研究が進展したことから、おおよそ秋までの目途として、研究分担者及び研究協力者がそれぞれの担当分野について研究成果をとりまとめることとした。 その後、各自の成果を書籍として公刊すべく、相互に個々の成果を検討し、本研究の成果として公刊することを予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定した渡独費用としての旅費が未消化のままであり、かつ新型コロナ感染拡大による影響での必要な資料等の購入が遅延したことで、研究計画の実施に必要な経費の支出が十分にできなかった。 今年度は、昨年度に購入予定していたものの資料等を早急に調達するとともに、最終的な研究成果のとりまとめに必要な経費に支出することを予定している。
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