研究課題/領域番号 |
18K01309
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研究機関 | 独立行政法人大学改革支援・学位授与機構 |
研究代表者 |
石井 徹哉 独立行政法人大学改革支援・学位授与機構, 研究開発部, 教授 (20351869)
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研究分担者 |
岡部 雅人 国士舘大学, 法学部, 教授 (30453989)
伊藤 嘉亮 早稲田大学, 社会科学総合学術院(先端社会科学研究所), 助教 (00837792)
冨川 雅満 九州大学, 法学研究院, 准教授 (80781103)
山下 裕樹 神戸学院大学, 法学部, 講師 (20817150)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ロボット / 正犯 / 過失犯 / 製造物責任 / AIの刑事責任 / 自動運転自動車 |
研究実績の概要 |
本年度は、これまでの調査研究のとりまとめ作業を行った。最終的には、研究成果として、本調査研究に関する書籍を公刊することを目標とし、研究分担者のみならず、研究協力者を含めて各担当者に必要なテーマを割り当て、研究会においてその概要報告、原稿に基づく研究報告を行い、相互に議論、検討を行った。また、ドイツ・ヴュルツブルク大学のヒルゲンドルフ教授にも本研究協力者として研究とりまとめへの参画してもらっている。最終的に、研究期間末までに全員の原稿が完成しており、現在、出版社に依頼して公刊準備を進めている。 本調査研究の当初の目的は、現行刑法及び現在の刑法理論が、知的エージェントが導入された社会において、どこまで機能し、知的エージェントがもたらす社会的に有害な事態に対処できるのかを明らかにすることとしていた。具体的には、知的エージェントの製造者、提供者または管理者・使用者の刑事責任をどのような要件理論構成で肯定できるかということを明らかにし、その関係において、知的エージェントそれ自体の主体性・責任についての考え方の方向性を検討するというものであった。しかしながら、最終的には、研究協力者の寄与等もあり、知的エージェントの主体性の哲学的基礎づけ方向性、正犯性の問題などさらなる発展的問題、さらには特別法上の行為主体性の検討も行うことができた。 過失犯についても、製造物責任のみならず、過失要件との具体的なすり合わせ、自動運転自動車の実装に係る道路交通法条の問題の検討、ジレンマ状況の考え方についても、刑法の側面から整理することができた。
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