本研究は、性犯罪規定のさらなる見直しに向けて、日本の性犯罪規定が持つ問題点の検証、判例実務の分析を中心に、理論的で実証的な研究を行うことを目指した。理論的な観点からは、これまでの日本における学説の整理、さらに、現在の実務における「暴行・脅迫、抗拒不能要件」の理解を把握するために、裁判例の分析を行った。実証的な観点からは、現在の性被害状況の把握のために、相談センターへの訪問、実務家への意見聴取も行った。また、海外の調査活動としては、韓国、台湾、ドイツを中心に行い、比較法的な見地からの問題分析にも努めた。以上の研究内容は、学会での報告や論文執筆、さらに一般向けとしてネット記事を公表した。
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