主に以下の3点に関して解釈論を展開した。まず、酒気帯び運転免責条項に関して、行政罰等が課される基準に満たない場合でも免責されるというのが裁判例の大勢であるが、実際は様々な行為態様が評価されているのであり、それ自体は肯定できるものである。次に、反社条項に関しては、形式的に重大事由解除の片面的強行規定性違反を論じると、重大事由解除の制度がない場合よりも解除が困難になる逆接状態が生じることから、契約の解放を容易にするものとして重大事由解除が存在する点を重視すべきである。重大事由解除に関しては、信頼関係破壊の法理の一環であるとの評価が確立しつつあるが、立法経緯に照らすとそのような解釈は誤りである。
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