本研究は、分散型台帳技術を利用した「財産的価値のある権利」(セキュリティートークン等)の帰属、移転についての法規制のあり方について検討することを目的とするものである。金融商品取引法の改正により、一定のセキュリティートークンについては、開示規制等が適用されることとなり、資金調達、投資対象としての位置付けが明確になった一方で、私法的な取扱いについては現行法の解釈に委ねられている。他方、ユニドロワ(私法統一国際協会)や米国は、デジタル資産についての私法的なルールの策定作業を進めている。今後の動向を分析しつつ、わが国における規整のあり方について議論を蓄積していく必要がある。
|