平成30年7月6日法律第72号「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」は、「相続させる」旨の遺言に対して、対抗要件主義を適用する改正を行った。 対抗要件主義適用の法律構成に関しては、当初は、遺贈と同様の法律構成が採用されており、その結果、対抗要件主義の理解に関しても、意思表示制限説に依拠していたが、その後、遺産分割と同様の法律構成に変更された。しかし、改正の内容は、対抗要件主義の一般原則である民法177条・178条・467条に手を加えるのではなく、これらとは別に899条の2の条文を新設する方法が採用されたため、条文解釈に齟齬が生じていることを指摘した。
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