主たる成果である、包括代理権が与えられる業務執行者の定義、業務執行者の代理権の範囲、業務執行者が置かれない場合の常務を基礎とした代理法による保護の分析は、これまで一部注釈書を除けば包括的に分析されることがなかった点について、体系的に分析を行い法的安定性を向上させるという意味がある。特に、組合法においては判例が少なく、この結果として判例を中心とした法理の解明に限界があったところ、代理法との関連を見据えつつ学理的な観点から法理の解明を進めたことに意味がある。 副次的に明らかにした合意に基礎を置く契約の一種としての組合契約という観点は、組合契約の分析にその他の契約法理を使える基礎を与える意味がある。
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