研究課題
基盤研究(C)
本研究は、戦後から現在に至る数次の相続法改正における均分相続の理念をめぐる議論の変遷の分析を通じて、均分相続の理念及びこれを基礎とする相続法原理が、家族の機能・形態の多様化の進む現代において再検討を迫られる可能性があることを明らかにするとともに、均分相続の理念に抵触するとして否定されてきた《契約による事前の相続規律》というスキームの理論的可能性につき、「被相続人の財産処分の自由」の拡大と限界という観点から検討を行った。
民法
家族の機能・形態の多様化や高齢化が進む現代においては、法定相続とは異なるアラカルトな遺産承継プランニング(遺言・生前処分の活用等)の必要性と重要性が強く意識されるようになってきている。本研究は、現代人のニーズにあった遺産承継手段を整備するうえで過度の障害となっている均分相続の理念につき、必要な限度で克服するための基礎作業となるものであるとともに、被相続人の財産処分の自由の可能性を、契約による相続規律という視点から新たに捉えなおそうとするものである。