本研究は、国際倒産におけるいくつかの重要な論点について考察するものであった。上記の研究成果は、①海外資産の保全、②係属中の外国訴訟・仲裁の扱い、③倒産解除条項の効力、④海外資産の差押えと不法行為・不当利得、⑤承認の要件(相互主義)、援助の立法モデル等、当初予定した研究計画の内容をほぼカバーするものといえる。これらの論点はいずれも国際倒産法の領域において重要な課題であり、申請者の研究成果はその解釈論・立法論を考える上で、またアジア太平洋地域との結びつきが日々増している国際倒産実務において実務指針となるものを提供することができたと考える。
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