研究実績の概要 |
最終年度は待望のサバティカルを取得し、7月24日から10月10日までフランスにて在外研究に従事した。その際は、図書館における複写の実態調査、古いあるいは非公開の文献の調査、実演家や権利者団体職員へのインタビュー、国際学会への対面出席など、現地でしかできない経験を積んだ。 最終年度の研究成果は、フランス語の口頭発表が中心である。「著作物の創作性の要件とソフトウェアの保護:フランスと日本の比較法的考察」については、ポワティエ大学CECOJIとトゥールーズ第一大学EPITOULの研究者および大学院生に向けて発表した。EPITOULのメンバーは10月末に来日し、申請者の発表を踏まえて議論を交わす機会があった。日本語でも、日本新聞協会に向けてフランスのプレス隣接権の最新動向を発表し、ALAI Japan(国際著作権法学会日本支部)のためにポルトガルのエストリルでおこなわれた世界大会の様子を発表した。 著書(分担執筆)としては、フランス語によるAlexandra MENDOZA-CAMINADE (dir.), L’entreprise et l'intelligence artificielle - Les reponses du droit (pp. 315-332, Makoto NAGATSUKA "L'exception du droit d'auteur japonais favorisant la fouille de texte et de donnees"), Presses de l'Universite Toulouse 1 Capitole, 2022.がある。 これまでのフランス著作権法研究の成果に上記在外研究の成果を加えて、『文学的美術的所有権の発想―フランスの文化と著作権法』を上梓すべく、準備を進めている(出版社選定済み)。
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