研究課題/領域番号 |
18K01396
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
湯淺 墾道 明治大学, ガバナンス研究科, 専任教授 (60389400)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 自動運転 / 自動走行 / 個人情報 / プライバシー |
研究実績の概要 |
今年度も、昨年度までに引き続き、自動運転(自動走行)と個人情報保護・プライバシー保護に関する法制度の研究を行った。近年、わが国においても自動運転(自動走行)に関する法制度が急速に整備されつつあるが、それについて継続的に研究を行っている。2019年、大綱で示された方針に基づき、道路交通法と道路運送車両法が改正されてSAEレベル3の自動運転車が安全に道路を走行することができるよう規定が整備され、2020年4月に施行されました。この結果、日本においてもSAEレベル3の自動運転車が公道を走行できるようになった。この改正により、自動運転機能を使用して走行することは「自動運行」、自動運転を実現するためのプログラムやセンサー類は「自動運行装置」と呼ばれることになった。これらについての研究成果は、夏井高人・岡村久道・掛川雅仁編『Q & Aインターネットの法務と税務』追録(新日本法規、2021年)「自動走行機能を持つ自動車は、手放しで運転できるのか」で公開している。各地の自動運転(自動走行)実証実験等の現地視察も予定していたが、新型コロナ感染症により実証実験等が中止される場合が多く、昨年度は視察ができなかった。また個人情報保護法制や個人データ保護法制も大きく変化しており、それについて継続的に国際的な比較研究を行っている。その成果は論文「個人情報保護法改正と学術研究・医療への影響」、「故人のデジタルデータの扱い」、「個人情報保護の中央地方関係」等で公開した。さらに、自動車だけではなく船舶の自動航行も実用化の段階に入ってきたため、そのセキュリティに関する法制度も研究対象に加えた。その成果は論文「海上インフラのサイバーセキュリティの現状と課題」で公開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
文献調査や法令調査については、当初の計画に沿っておおむね順調に進行している。研究成果についても、論文を積極的に公表している。ただし、各地の自動運転(自動走行)実証実験等の現地視察やヒアリングについては、新型コロナ感染症の影響により予定通りに実施することができていない。また研究成果の海外の学会における発表や、海外における自動運転・自動走行の視察についても、新型コロナ感染症の影響で海外への渡航条件が厳しくなっていることから行うことが難しい状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は研究の最終年度にあたるため、これまでの研究成果を総括し、研究成果の体系化とまとめを行うと共に、学会参加、論文執筆等によって研究成果を積極的に公表することに努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症の影響により、学会参加等を行うことができず、旅費をほとんど使用することができなかった。このため状況が許せば旅費等を使用し、それができない場合は文献収集等の費用に充てる計画である。
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