研究課題/領域番号 |
18K01400
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
川嶋 四郎 同志社大学, 法学部, 教授 (70195080)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 法教育 / 法と文学 / 司法 / 民事裁判 / 民事訴訟法 / 救済法 / 中等教育 / 新科目・公共 |
研究実績の概要 |
本研究課題は、これまで日本ではほとんど論じられていなかった「法と文学」研究を深め、その研究成果を、一方で、中学生・高校生向けの教材として編み、実践的な法教育(民事裁判に関する法教育)に生かすとともに、他方で、市民目線の制度改善へと連動させるために、現行民事裁判制度のために理論的・実践的な提言をも行うことを目的とするものである。 2001年の『司法制度改革審議会意見書』を起点とした司法制度改革後も、市民生活にとって身近なものであるはずの「民事裁判」の領域では、国民の司法参加が未だ制限的であり、刑事裁判と比較して知名度も低いのが現状である。それゆえ、これからの日本を支える中高生にとっても、市民生活に不可欠な民事裁判や民事手続法は、未知の異空間として近づきがたい雰囲気を醸し出している。 そこで、私のこれまでの「法教育」・「法学教育・法曹養成教育」等の実践成果を踏まえ、中高生や教員に利用可能な民事裁判の手引きの作成とそれに基づく教育実践を行いつつ、民事裁判が分かりやすく利用しやすく頼りがいのある法的救済システムとなることができるように具体的な改革提言を行い、民事裁判を広く普及させ生かし得るための理論的な実践研究を行ってきた。 初年度である2018年度は、基礎資料の収集等を行うとともに、高等学校における「新科目・公共」の具体化に対して、日本学術会議法教育部会などで、本研究の観点から研究報告を行い、様々な背景をもった研究・教育者から数多くの有益な示唆を得ることができた。2019年度以降の研究に生かしたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
先に述べたように、2018年度の研究では、基礎資料の入手とともに、これからの研究の深化のために、様々な専門領域における研究・教育者と議論しながら、かなり有益な様々な情報を獲得することができた。 それは、2019年度以降の研究を着実に進めてゆく上での重要な成果であり、それらをも参照して、今後の研究展開を試みたい。
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今後の研究の推進方策 |
上記のような研究状況のもとで、今後、日本では、これまで必ずしも十分には蓄積がない「法と文学」や「法教育」に関する基礎的文献(邦語、英語、独語の書籍)をさらに収集・分析・整理し、日本における中高生・教員へのヒアリングを実施し、国内における研究調査等を、さらに進行させたい。 それとともに、研究会・日本学術会議部会等における意見交換をさらに進め、中間報告を行い、学術論文等の著作にまとめたい。 また、それらをもとに、実践的な教育をおこなうことにより、より洗練された教材に仕上げてゆきたい。
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