研究課題
本研究課題は、これまで日本ではほとんど論じられていなかった「法と文学」研究を深め、その研究成果を、市民教育として一般的に生かすための実践的な研究課題である。具体的には、一方で、中学生・高校生向けの教材として編み、実践的な法教育(民事裁判に関する法教育)に生かすとともに、他方で、市民目線の制度改善へと連動させるために、現行民事裁判制度のために理論的・実践的な提言をも行うことを目的とするものである。2001年の『司法制度改革審議会意見書』を起点とした司法制度改革後も、市民生活にとって身近なものであるはずの「民事裁判」の領域では、国民の司法参加が未だ制限的であり、刑事裁判と比較して知名度も低いのが現状である。それゆえ、これからの日本を支える中高生にとっても、市民生活に不可欠な民事裁判や民事手続法は、未知の異空間として近づきがたい雰囲気を醸し出している。今年度は、日本学術会議の法教育関係の分科会に積極的に参加し、また、様々な機会に、私がこれまで取り組んできた「法教育」・「法学教育・法曹養成教育」等の成果を踏まえ、研究成果の一端を公表してきたが、今後も、中高生や教員に利用可能な民事裁判の手引きの作成とそれに基づく教育実践を行いつつ、民事裁判が分かりやすく利用しやすく頼りがいのある法的救済システムとなることができるように具体的な改革提言を行い、民事裁判を広く普及させ生かし得るための理論的な実践研究を行っていきたい。業績については、後掲を参照。今後、この研究成果を踏まえ、さらに成果物として積極的に公刊してゆきたい。
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法曹養成と臨床教育
巻: 13 ページ: 100-106
陪審裁判を考える会編『民事陪審裁判が日本を変える』
巻: 1 ページ: 58-63
Droit japonais, droit francais, quelle reforme
巻: 1 ページ: 239-250
高中正彦=石田京子編『新時代の弁護士倫理』
巻: 1 ページ: 295-296