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2022 年度 実績報告書

算定コストを考慮した、知的財産権侵害に対する損害賠償の具体的な算定枠組みの研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K01401
研究機関立命館大学

研究代表者

宮脇 正晴  立命館大学, 法学部, 教授 (70368017)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード知的財産権侵害 / 逸失利益 / 損害賠償
研究実績の概要

知的財産権侵害に対する損害賠償額の算定について、前年度に引き続き、著作権法を中心に検討した。とりわけ、海賊版サイトにおいて著作物が閲覧に供されたケース(ユーザーによる意図的なダウンロードを伴わないケース)において、著作権法114条1項の「受信複製物」の数量をどのように認定すべきかという点や、著作物が著作権者が通常許諾している利用態様とは異なる態様で利用された場合の損害額の算定手法について検討した。これらの検討成果は、近刊の『条解 著作権法』(弘文堂)の同条に関する記述に一部反映されているほか、現在執筆中の住宅地図の利用が問題となった事件の判例評釈にも一部反映される予定である。
研究期間全体を通じて得られた知見としては、①特許法をはじめとする創作法と商標法をはじめとする標識法とでは制度趣旨が大きく異なるものであること、②知的財産権の損害額の証明が困難であるという前提の下、権利者の証明の負担軽減を図る必要性という点は、各知的財産法で共通しているが、これらの法で損害額の算定方法まで同様の規定が置かれている理由については、そのような共通性から必然的に導き出されるものとは言い難く、それぞれの法の趣旨から説明することも困難であること、及び③共通の算定方法が法定されていることの理由については、算定の大まかな枠組みが3通り示され、更にその算定の枠組みが各知的財産法で同様なものとなっていることによる当事者や裁判所の算定のコストの軽減というところに求められること、④具体的な算定方法については、問題となる知的財産権の性質を踏まえる必要があること等である。これらの成果については、研究期間を通じて論文等として既に発表してきており、今後も上記の著作権関係の上記の業績を公表する予定があるほか、現在執筆中の標識法の概説書の損害賠償に関する部分にも反映させる予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 指定商品やその容器の立体的形状のみからなる商標の商標法3条1項3号・同条2項該当性2022

    • 著者名/発表者名
      宮脇正晴
    • 雑誌名

      Law & Technology

      巻: 95 ページ: 40-48

  • [学会発表] 神経科学と商標2023

    • 著者名/発表者名
      宮脇正晴
    • 学会等名
      神経法学研究会
  • [学会発表] 住宅地図の著作物性と保護範囲2022

    • 著者名/発表者名
      宮脇正晴
    • 学会等名
      著作権法学会著作権判例研究会
  • [図書] 条解著作権法2023

    • 著者名/発表者名
      小泉直樹、茶園成樹、蘆立順美、井関涼子、上野達弘、愛知靖之、奥邨弘司、小島立、宮脇正晴、横山久芳
    • 総ページ数
      -
    • 出版者
      弘文堂
    • ISBN
      978-4-335-35932-3
  • [図書] 知財とパブリック・ドメイン 第3巻 不正競争防止法・商標法篇(第2章「産業上の創作に関するパブリック・ドメインと不正競争防止法上の商品等表示としての保護」)2023

    • 著者名/発表者名
      田村善之(編)、田村善之、宮脇正晴、小嶋崇弘、奥邨弘司、山根崇邦、前田健、駒田泰土、平澤卓人、金子敏哉
    • 総ページ数
      336
    • 出版者
      勁草書房
    • ISBN
      978-4-326-40416-2
  • [図書] 商標の法律実務 (第2章第1節「商標法の今日的課題 ー研究者の視点から」)2023

    • 著者名/発表者名
      小林十四雄(編集代表)、末吉亙、西村雅子、大塚一貴、三山峻司、宮脇正晴 ほか
    • 総ページ数
      432
    • 出版者
      中央経済社
    • ISBN
      978-4502433917

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公開日: 2023-12-25  

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