知的財産権侵害に対する損害額について、各知的財産権の性質に応じた具体的な算定枠組みについて研究した。各知的財産法(特許法、商標法、著作権法など)には共通して同じような損害額の算定規程が置かれていることの趣旨は、算定の大まかな枠組みが示され、更にその算定の枠組みが各知的財産法で同様なものとなっていることによる当事者や裁判所の算定のコストの軽減というところに求められる。この枠組みの下で、各知的財産法の違い(特に創作法と標識法の違い)を踏まえて、売上減少の逸失利益の判断枠組みや主張立証責任、ライセンス料相当額の算定方法について示した。
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