国立循環器病研究センター・バイオバンクにおける調査で、研究用周産期人試料収集に関する実際的な問題点を明らかにした。また文献調査により「大学、研究法人等に属する研究用バイオバンク(以下「BB」)が有償で企業等に試料を提供する場合の法的・倫理的基盤の検討」を行った。「人試料は売買の対象にならない」という前提で、日本のBBの法的基盤を検討した。更に欧米のBBは独立した役割や責任について「責任あるカストディアンシップ」が求められている。結論として、倫理・理論的な枠組みをカストディアンシップとし、法的な枠組みを改正予定の公益信託とすることで、BBによる人試料の外部提供の問題点の解決への道筋が見えた。
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