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2020 年度 実施状況報告書

選挙制度改革と政治制度改革のインパクトの理論的・実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K01405
研究機関帝京大学

研究代表者

川人 貞史  帝京大学, 法学部, 教授 (10133688)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード比例代表制 / 日本国憲法 / 議院内閣制 / 定数配分 / 選挙区間の人口較差
研究実績の概要

①衆議院議員定数の都道府県への配分方法の分析
1889年から1947年までのすべての選挙法制定経過をたどり,実際に行われたであろう定数配分の作業を検証することによって,日本における議員定数の配分にどのような比例代表制の方式が用いられたかを明らかにした論文が『国家学会雑誌』に掲載された.
②日本国憲法の制度的帰結の政治学的研究
日本国憲法で規定された議院内閣制と国会に関する私のこれまでの研究をまとめたプレゼンテーションを素材に,政治学と憲法学の協働の可能性を考える対話の企画が,全国のトップレベルの憲法学者たちとのオンライン会議として実施され,論文および座談会討論が,『論究ジュリスト』に掲載された.
③都道府県への定数配分に用いられる比例代表制の諸方式と選挙区人口の較差の分析
1994年に導入された小選挙区の選挙制度および区割り改正について,さまざまな比例代表制の方式がどの程度の定数あたり人口の都道府県間較差をもたらし,最終的に区割り後の選挙区間の人口較差をもたらすかの分析を進めたが,コロナ禍のために研究活動を十分に行うことができず,今年度中に完了できなかった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ禍の中で,本研究のための調査も海外議会調査も学会出席なども一切できなくなり,研究活動はほとんど単独で行うこととなり,わずかにオンライン会議による他研究者との意見交換ができただけである.
研究実績の概要でも述べたとおり,今年度は昨年度に行った研究をまとめた論文の刊行と憲法学者たちとの座談会の刊行が主たる実績であるが,政治学者として,隣接しながら研究アプローチの異なる優秀な憲法学者たちとの意見交換はきわめて刺激的であり互いに有益であったと考えている.
しかし,本研究の最終年度としてはあまり研究を進めることができず,研究期間の延長を申請して承認され,翌年度に研究を進めてまとめるようにしたいと考えている.

今後の研究の推進方策

昨年度の実施状況報告書で記載したことと同一であるが,翌年度は最終年度として研究のとりまとめ作業を行う.
具体的には,研究実績の③で記述した比例代表制の諸方式と選挙区の人口較差の理論的考察に関する論文を執筆する.
次いで,1889年から現在までの選挙区割りの実際が人口較差の理論値からどの程度乖離する結果になっているかを測定する.都道府県内の選挙区割りは,従来から地勢,交通,行政区画を総合的に考慮して行うことになっているが,そうした考慮がどれだけ人口較差を拡大しているかについて分析する.
最終的に,これらの分析を単著としてまとめる作業を進めて,研究期間中に一定のめどを立てたい.

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍の中で,海外調査等が一切不可能であったため,本年度中の支出が微少にとどまった.研究期間の延長申請が承認されているので,翌年度は今年度における研究計画をそのまま実施し,最終年度として研究のとりまとめを行う.ただし,海外の研究大会への参加および議会調査の実施が困難であるため,国内において研究を行い,旅費等はあまり使用せず,物品・図書の購入や人件費などに充てたい.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 衆議院議員定数の都道府県への配分―どの比例代表制の方式が用いられたか―2020

    • 著者名/発表者名
      川人貞史
    • 雑誌名

      国家学会雑誌

      巻: 133 ページ: 444-396

  • [雑誌論文] 日本国憲法のアイデンティティ(NUMBER 09)日本国憲法の制度的帰結の政治学的分析 : 現代政治学との対話 座談会2020

    • 著者名/発表者名
      赤坂 幸一, 川人 貞史, 大河内 美紀, 宍戸 常寿, 西村 裕一, 林 知更, 山本 龍彦
    • 雑誌名

      論究ジュリスト

      巻: 35 ページ: 166-183

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公開日: 2021-12-27  

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