研究課題/領域番号 |
18K01406
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中山 洋平 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (90242065)
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研究分担者 |
古賀 光生 中央大学, 法学部, 准教授 (50645752)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 福祉国家 / 政党政治 / フィードバック / 西ヨーロッパ / 日本 / 近接比較 / 政治史 / 比較政治 |
研究成果の概要 |
本研究ではまず①日欧諸国の社会保障の諸制度における管理機構の実態把握と類型化を行った。鍵は官僚制と労使や共済組合等の間の権限配分である。その上で②フランスでは20世紀を通じて、様々な社会保険の制度に官僚制の統制力が徐々に浸透し、福祉国家全体が官僚統制の下に置かれて、労使などの組織やこれを基盤とする主要政党に官僚制化が進展していく過程を史料に基づいて明らかにした。最後に③仏英日以外の国々では、管理権限の配分が異なる社会保障制度が併存し、ベクトルの異なるフィードバック効果が交叉する状態が20世紀を通じて続いたことを指摘し、管理機構の均質化が起こるか否かの分岐がなぜ起こるのか、理論的な考察を行った。
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自由記述の分野 |
ヨーロッパ政治史・比較政治
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の比較福祉国家論は、様々な福祉国家の類型がいかに生み出され、グローバル化の下の福祉改革が多様性を示すのはなぜか、といった問いに関心を集中させてきた。しかし政党や官僚制、職能団体などの綱引きの末に導入された社会保障制度が、ひとたび作動を始めると、逆にこうしたアクターの組織や行動に影響を与え、政党政治を造形するに至る。本研究は、こうした社会保障制度のフィードバック効果に関する政治史研究の知見を体系化することで、今日、喫緊の課題となっている社会保障改革が、政党を始めとする政治のあり方に大きなインパクトを持つことに注意を促し、両者間の強力な相互作用の歴史的実例を意識した上で政策決定に臨むよう導く。
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