研究課題/領域番号 |
18K01413
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
藤村 直史 神戸大学, 法学研究科, 教授 (20551493)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 政党規律 / 議場投票 / 再選 / 個人投票 / 政党投票 / 日本 |
研究実績の概要 |
全実施期間にわたる本研究の目的は、「政党は、異なる政策的立場をもつ議員によって構成されているにも関わらず、議員が党議に沿った同一の議場投票をすることを、どのような手段によって実現しているのか」という問いを解明することである。実施は、(1) 先行研究の検討と理論的考察、(2) データの収集と分析、(3) 中間報告とフィードバック、(4) 学術雑誌への投稿という4段階に分けて行うことを予定していた。
初年度である2018年度は、上記4段階の(1) 先行研究の検討と理論的考察、(2) データの収集と分析を行う予定であった。研究は、当初の予定をこえて進み、(3) 中間報告とフィードバックに至った。具体的には、ワーキングペーパー2本を執筆した。1本目は政党内の資源配分と議場投票に関するペーパーであり、2018年7月にオーストラリア・ブリスベンで開催されたInternational Political Science Associationの大会で報告した。これまで実証されてこなかった支援をもらった議員ほど党議に従った投票をするという点を実証的に示した点に意義と重要性がある。2本目は、役職所属と政策的影響力に関する論文であり、2019年3月にイギリスのUniversity of Essex、香港のCity University of Hong Kong、北九州大学でのワークショップで報告した。これまで実証的に着目されてこなかった強力な議会委員長のagenda-setting powerを理論的、実証的に解明した点に意義と重要性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
上記のように、実施は(1) 先行研究の検討と理論的考察、(2) データの収集と分析、(3) 中間報告とフィードバック、(4) 学術雑誌への投稿という4段階に分けて行うことを予定し、2018年度は(1)、(2)を予定していたが、(3)まで進むことができた。特に、ワーキングペーパーを2本書くことができたのは、計画以上の進展である。
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今後の研究の推進方策 |
2018年度は、2本のワーキングペーパーを執筆し、学会やワークショップで報告した。2019年度も9月にポーランドで開催されるEuropean Consortium for Political Researchの年次研究大会での報告申請が受理された。学会やワークショップでの報告を積極的に行い、そこでのコメントを理論、意義、データ収集・分析などの再検討と発展につなげ、公刊論文につながるように、研究の完成度を高める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していたオーストラリアで開催されたInternational Political Science Associationの研究大会への参加費が航空経路の工夫や滞在期間の短縮により、予定より少ない額で済んだため、次年度(2019年度)使用額が生じた。2019年度も国内外の学会やワークショップでの研究を予定しており、使用額が生じたことにより、積極的に研究成果報告の場を得る予定である、
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