本研究は、学術的には2つの意義がある。第1に、従来の政党の一体性の研究は、議員の議場投票の造反に焦点を当ててきたが、本研究は法案の提出と議会での成立にはギャップがあり、政党は理想的な政策の実現や一体性のためには、議会、委員会、委員長を統制する必要性を発見した点である。第2に、特に政党の政策的立場から外れた議員が委員長を務めると、委員会での政府法案の修正が増えることを実証的に示した初めての研究である。
社会的意義は、議会と委員会の重要性を示した点である。これまで日本の国会では、ほとんどの閣法を成立させ、政府の追認機関でしかないと評価されてきたが、本研究は、議会の積極的な役割を発見している。
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