研究課題/領域番号 |
18K01417
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研究機関 | 大東文化大学 |
研究代表者 |
鹿 錫俊 大東文化大学, 国際関係学部, 教授 (20272784)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 日中戦争 / 日本 / 中国 / 中国共産党 / 認識 / 対応 / 歴史 |
研究実績の概要 |
(1)2018年度は本研究の開始年度であるため、先行研究の整理・消化を第1ステップにした。続いて、「日本から見た中国共産党」を視角とする日本側資料(公文書と新聞記事を含むもの)の収集に努めつつ、中国国家図書館などで中国側の先行研究の収集にも尽力した。また、イギリス国立公文書館などでの初歩的な調査も実行した。 (2)上記の調査活動と資料解析の深化に伴って、論著執筆と学会発表の面では下記の成果を得た。①スタンフォード大学フーバー研究所研究員Tai-Chun Kuo氏主催の国際共同研究「日中戦争史の再検討」に参加し、論文二本を寄稿した。②中国社会科学院近代史研究所王建朗所長主催の国際共同研究「抗日戦争史新編」に参加し、論文1本を寄稿した。③『ハンドブック近代中国外交史』という共著書の分担執筆を行った。④オクスフォード大学中国センター主催の国際学術会議“Memories of the World War Two”で、“Changing official narratives and the rising status of the Resistance War History : the development of Resistance War History in China since 1949 ”と題する発表を行った。⑤中国社会科学院近代史研究所主催の「第7回近代中外関係史国際シンポジウム」に論文を提出したうえで報告を行った。 (3)その他、満洲事変から盧溝橋事件まで(1931―37年間)の日中関係に関する単著を執筆しながら、「西安事件以降、日本における対華新認識の逆転過程」をめぐって資料を集め、研究を行ってきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の基礎となる資料調査を計画通りに行っており、論著執筆と学会発表という成果発信の面でも確実に進展している。雑誌での論文刊行がなかったが、上記「5の(2)」の①②③」はすでに今年度に完了し、2019年度に刊行される予定である。
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今後の研究の推進方策 |
(1)これまで入手した資料を消化しつつ、引き続き日中双方の資料とりわけ中国共産党側の資料を丁寧に収集する。 (2)新しい論文を執筆するとともに学会発表をはじめ成果の発信を積極的に行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
【理由】本来、夏季休暇を利用して科研費による海外調査を行う予定であったが、大東文化大学と海外の協定校との学術交流により、2018年8月2日から9月14日まで「短期海外研究員」として北京外国語大学に派遣され、同大学から宿泊等の支援を受けたため、中国国家図書館をはじめとする中国での研究調査は科研費の使用が不要となった。 【使用計画】米国とロシアなどでの資料収集と研究調査を続ける。
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